藤本一郎への批判
『藤本大学』 → 「ピル解禁の是非」
1,「産む自由」はピル解禁を正当化するか
ピル解禁が間近に迫っている。しかし、私はどうしてもこれに賛成できない。
年間四〇万件もの人工妊娠中絶・・・。確かに「望まない妊娠」に対する対策は必要不可欠である。そして、女性の人格的自律権の一環として、「産む自由」と共に「産まない自由」も保障されるべきである。具体的には「環境権」等の「新しい人権」の一環として幸福追求権を保障する憲法一三条によって、保障される(又は今後されていく)と考える。
しかし人権として保障されるとしても、人権内在的制約を伴うことはやむをえまい。そして今、まず「産む自由」と「産まない自由」がピルを介して相互に対立しているのである。
厚生省中央薬事審査会でもようやく問題とされるようになった、ピルの「環境ホルモン」としての影響が、「産む自由」を侵害する危険が高いのである。
女性がピルを多く服用しているイギリスの例を見てみよう。イギリスの女性が服用したピルが尿となって川に流れ出す。その成分はダイオキシンと同様、女性ホルモン類似の働きをする。そしてこの水を男性が飲むことで男性の精子が減少しているという。
先日、京都大学が男性の精子について調査したところ、既に日本でも32人に1人(だったと思う)の男性が精子に障害をもっている、と報道された。これはピルではなく、他の先進国と比べて高い濃度であるダイオキシンの影響と思われるが、これに加えてピルが解禁されれば、日本は子孫すら残せない国になりかねない。
もっとも科学的立証を欠く、とする科学者もいる。しかし、疑わしき場合はより安全な選択をせねばならない。薬害エイズを思い出して欲しい。安易に安全と考えたがために危険性が懸念されつつも危険な非加熱製剤を使ってしまった悪しき経験を教訓として生かさねばならない。
結局、ピル解禁には男性や女性の「産む自由」を侵害する高い可能性がある限り、それが憲法上の「産まない自由」として最大限尊重されるべきとしても人権内在的な「公共の福祉」の制約を受けざるを得ないのである。
更に現状の低いピルへの関心のまま、ピルを解禁すれば、エイズ等の性感染症の拡大は防止できない。医師がコンドーム等との併用を勧めることを義務づけたところで何が変わるのだろうか。ピルを飲まなければいけなくなるのはパートナーである男性が避妊(コンドーム着用)に応じないからである。とすれば、ピルとコンドームの併用は女性が望んでもほとんどあり得ない。最初から男性が常にコンドームを着用するカップルならピル以外の方法で十分に避妊できる。つまり、「産まない自由」を保障するための手段は他にも十分にある訳である。ピル解禁の目的の正当性と手段の相当性は疑わしいといえる。
--------------------------------------------------------------------------------
2,人工妊娠中絶の問題点〜主に法的な視点から〜
ところで、日本での人工妊娠中絶の件数はここ二〇年間でだいたい半分になった。これは性道徳上、避妊についてカップルで、家族で、あるいは学校で話し合うのがタブーとされていたのが、徐々に変わってきたからだと思う。
そういえば私の友人が高校時代、誕生日に母親からコンドームをプレゼントされたことを話してくれた。きっとそいつは相手を傷つけるようなことはしないだろう。「ピル」は「産まない自由」の唯一の選択肢ではない。最近の中学校でのナイフを用いた傷害・殺人事件に対し、少年からナイフを奪うことが解決の唯一の選択肢ではないのと同じだ。「急がば回れ」と言うが、結局地味な教育が最も大切であり、またその成果がここ二〇年間での人工妊娠中絶の半減に現れている。今後も、「初体験」が低年齢化する中で、教育の占める役割は益々大きくなるだろう。
それでも人工妊娠中絶してしまう人はゼロになっていない。視点を変えて、人工妊娠中絶そのもののあり方も少し検討を要するだろう。
そもそもどうして中絶は今でも原始的な、子宮内の胎児をかき混ぜて母体外に排出させる方法を採るのであろうか。
日本でも一部では直接胎児に毒を注射する手術をして、母体内で比較的子宮に傷つけない方法で「おろす」方法を採用している病院もあるが、それはごく少数である。技術的にはたいして難しくないらしいが、実は法律的障害があるとされる。
そもそも人工的に胎児を「殺す」のは刑法の「堕胎罪」に該当する。それでも年間四〇万件もの中絶ができるのは、例外的に母体保護法で定めた方法であれば中絶できるからである。そしてその方法が同法の二条により定められている。
『この法律で人工妊娠中絶とは、胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期に、人工的に、胎児およびその附属物を母体外に排出することをいう。』
医者であってもこの法律に定める方法に従わずに中絶すれば、仮に妊婦の同意があっても、同意堕胎罪(刑法二一三条)で処罰されてしまう。そこで法律的な知識に乏しい医者は母体保護法を文理解釈して、「母体外に排出」する中絶のみを行おうとするのである。結果として原始的な方法となり、子宮を傷つけやすい中絶となってしまっている。
しかし私は、母体外に排出しない中絶であっても、他の点で同法に沿う中絶であれば問題はないと考える。そもそも同法2条は中絶の定義を定めたものであるが、最初の法律制定当時の一般的な中絶方法が母体外への排出を伴うものであっただけであり、たとえ母体外に排出することのない中絶であっても、効果が同じでより母体に安全な方法であれば、これを違法とする理由はないのである。つまり、「母体外」は例示に過ぎない。刑法界の大御所、大谷先生(同志社大学教授)も同様の解釈を採っておられると聞く。とすれば私見はおそらく裁判でも十分に通用する見解である。
他に「副作用」を与えない、解決容易な問題から対処すべきなのに、どうして「副作用」の強いピルの問題から解決したがるのであろうか。
--------------------------------------------------------------------------------
3,「援助交際」から考える
先ほど人工妊娠中絶の件数が半減したと言ったが、各年齢別で見ると、二〇歳未満だけは件数が減少していない。むしろ微増の傾向もある。特に最近、「援助交際」により妊娠してしまう女子高生が多いと聞く。
「裏アダルトビデオ」と言えば「モザイクなし」を連想するが、それ以外の意味として、素人が撮影したアダルトビデオのことも「裏」と言ったりする。よく郵便受けに入っている、いかにも怪しげなチラシで売られているビデオに多い。
オヤジがお金を餌に「趣味だから」と言って女子高生との援助交際の一部始終をビデオ撮影したもののようだが、大抵の女子高生とは「膣外射精」を約束しておきながら、必ず最後は「中出し」するようだ。膣内が別の分泌液に満たされ、また興奮している女子高生には男性の射精の事実はあまり分からない。しかしその「中出し」がビデオの売り物でもある。
「中だし」するオヤジも、それを喜んで買うビデオの買い手も悪い。しかし、愛していない女性と性交渉をするのであれば、相手の体への配慮を欠くのは当然である。援助交際の相手と一体次にいつ会うというのだろうか。もし、そんな事も分からない女子高生の「産まない自由」を保護する為に、私の精子が犠牲にされるなら、たまったものではない。
ただ、そんな女子高生はまだ幼い。放置するわけにはいかない。しかしこの問題の解決も、ピルを持たせて援助交際を容認するのではなく、援助交際そのものをやめさせる方向に導かねばならない筈である。ピルの容認でたとえ中絶の数が減ったとしても、それは問題解決ではない。女子高生の教育、馬鹿なオヤジの教育双方が求められているといえよう。
--------------------------------------------------------------------------------
4,まとめ〜ピルは問題解決への道か?〜
私はピル解禁が性道徳の崩壊につながるから反対、という訳ではない。むしろ、もしその崩壊しつつある性道徳が、性に関することは「タブー」として黙っていなければならない道徳であるとすれば、早く崩壊してしまった方がいい。それとは別の、今述べてきた様々な理由で、ピル解禁が認められないのである。
ピルがなくてもコンドームがある。コンドームは正しく用いれば人体・環境に最も危険の少ない避妊法である。「生」と「コンドーム」では「イク」瞬間の気持ちよさが三倍違うとほざく人もいるが、二人が愛し合っているのなら、その三倍分取り戻すくらいの性交渉を営める筈である。男性にとってゴムが面倒だから、女性にとって相手がつけてくれないから、だから(消極的に)ピルというのは情けない。そんな相手とするためのピルは、いらない。
--------------------------------------------------------------------------------
5,何故、今回はアンケートへの反応が鈍いのか?
4月26日現在、5通の回答しかないのがちょっと寂しいです。
過去、本学が取り上げた様々な問題は、現代日本、特に若い人々にとって重要な問題ばかりであると考えています。
男性の関心が極端に低いのが大変気になります。使用に関しては自分のパートナーの問題であり、他方、環境ホルモンの影響は男女関係なく重要な問題です。自己と直接的な関係がない分、むしろ男性にとっての問題とも言えると思うのですが・・・。
私は、今の20代の人々は、避妊について、大変深くいろいろと考えていると思っていたのですが、結構いい加減なのでしょうか。
--------------------------------------------------------------------------------
6,つけたし これを書いて約1年経って思うこと・・・(99/01/26)
この話題に関しては一月に1つ程度の女性の投稿を頂いています。本当に私にとっても参考になる意見ばかりで、大変感謝しています。改めて女性の本問題に対する関心の高さを感じます。ただ、ほかの男性(私も周囲の人となかなかピルについて語る機会がないですし)がどう考えているのか、その辺があまり分からないのは残念ですが。
そして、女性の多くは、ピルを権利として考えていらっしゃる。特に、現在においても中用量ピルを用いている人にとって、低用量ピルはより害が少ない(当然環境に対する被害も少ない)以上、好ましい以外の何物でもない、という意見には、その限りでは真実だと思います。
ただ、私はそれでもピルの解禁に対して尚躊躇を感じてしまうのです。環境ホルモン問題、エイズ等の性感染症の問題、これを乗り越える程の権利なのか・・・。
他方で、様々な投稿にもあるように、では女性の中絶がこのままでいいのか、というと、当然NO。男性の不当な性暴力に対してはピル以外で防衛しきれない、というのは全くその通りだと思います。権利というか、防衛手段としての必要性は否定できません。
しかしまたここで考えるのは、このHPのこのコーナーを作って約1年、はっきり思うのは、男性のほとんどはピル云々を全く考えていないということです。かくいう私も環境ホルモン問題がでてくるまではあまり考えなかった。そして、考えないままのピル解禁は、結局誤った使用に結びつくのではないか、という不安があります。
つまり、ピルは女性の権利となるどころか、男性による性的な支配の良い道具になってしまうのではないかという不安です。確かに低用量ピルは、前述の環境ホルモン問題を軽視するなら、女性の体にとって、中用量ピルと比べれば、格段に安全です(それも以下のリンクページで見ていただければ分かると思います)。だけど、女性の体を傷つけていることには変わりがありません。もし服用をつづけて女性の身体に何らかの悪影響がでるなら・・・。
ある週刊誌に、「ピル解禁は景気対策の切り札」という記事が掲載されたことがあります。散髪屋で1年位前に読んだ記憶があります。曰く「ピル解禁で性風俗店大繁盛(もっとも、本当に(Hを)やる店はつかまりますが)→そこで働く女性がお金を使う→景気回復」だったかな?
そのレベルの話とは違う気がするのですが・・・。
・・・ある程度自分の意見が固まったつもりで書いていたのですが、自分でもよく分からなくなってきました。混乱した文章をそのまま掲載するという判断をお許し下さい。しかし、おそらくたいへん近い未来に解禁となるピルについては、もっともっと語られる必要があります(これだけは間違いのないことです)。みなさんも人と話しづらい問題だとは思いますが、しかし極めて身近なものだけに、使い方、これからの性のありかた、女性自身、環境等への副作用等も含めて、是非是非もっと考えてみて下さい。私も自分なりの結論を探していきます。
--------------------------------------------------------------------------------
7,更につけたし 99/09/02 低用量ピル解禁に際して
それから色々あって、ピルの環境ホルモンとしての影響はきわめて小さいこともある程度確かめられ(この点については、厚生省HPを参照下さい)、いよいよピルは承認されました。
使うことができることになったことは、利用を求めていた女性にとっては、幸せなことだと思います。
ただ、女性はこれを使うことで、年間5万円(月3000円×12+診察費用約1万ちょい)の費用、従来よりは低くなったとはいえ、血栓症の発症、乳ガン発ガン率がやや高いこと、太るという副作用という、負担をおうことになります。また、ピルを用いることで、男性側が安易にゴムを使わなくなるおそれは十分にあり、これにより、男女が複数の相手と性交渉をするのであれば、性感染症がもっと広がるおそれが高いです(ここ数年、特に10代の感染数が劇的に増加中です)。
結局、避妊は男女2人の問題だと思うんです。ピルもゴムも、所詮は道具なのであって、パートナーがしっかり避妊について話し合う、安易に「生」でヤらない、その程度もできない二人が、Hする資格なんてないと思うんです。
女の子に特に訴えたいのは、ピルを選択する前に、性交渉する男をしっかり選択して、後のことも考えずにただ己の欲望のまま性交渉をする男を選ばないこと。男の子に訴えたいのは、女の子が望まないのに、ピルを強要するようなことはしないこと。
とにかく、ピルとて避妊には良いけど、万能ではないことを認識した上で、使って欲しいと思います。
彼の経歴を見ると、京都大学法学部卒の弁護士! 大手の法人組織の一員って勝ち組中の勝ち組じゃないですか!
でも性に関する物言いは、私には違和感ありますね。
エリートだからって、性に関する物言いはひどいのがいるってことが分りました。
彼はまずピル反対というのがあって。
反対のための反対を、支離滅裂でも言っているって感じですね。
でもピル解禁の是非を問うアンケイト結果を集計し、ピル解禁反対派には圧倒的に男が多く、ピル解禁賛成派には女性が圧倒的に多いっていう結果と、彼の意見への反論を載せたのは偉い!
項目 賛成 反対 男性 20歳未満 1 1 賛成:5 反対:8 20代 1 5 30代以上 1 2 年代不詳 2 0 女性 20歳未満 0 0 賛成:12 反対:1 20代 9 1 30代以上 3 0 年代不詳 0 0 合計 17 9
賛成
女性にとって避妊の選択肢が増えるのは単純に喜ばしいことです。
様々な避妊法がありますが、(コンドーム、子宮リング、ペッサリー、マイルーラほかの殺精子剤、月経周期からいわゆる「安全日」を割り出す方法、膣外射精もっともこれは避妊法ではないと一般ではいわれますが)女性が自分の意志で選択できる、こういう点ではピルは優れています。
コンドームによる避妊は、相手の男性が装着せずに無理矢理挿入でもしてきたら目もあてられません。
ほかの避妊法にも問題点があるように、ピルにも、副作用という問題点があります。
薬剤を習慣的に服用するのですから、身体にいいわけがない。
それでも、その問題点を理解した上での選択ならば、どのような結果になってもその女性の責任の範囲内です。
ですから、こんなところでとん挫せずに、はやいところ解禁してくれないかなというのが私の本音です。
女性と避妊という観点から述べてみました。
(20代・女性)98/03/28
--------------------------------------------------------------------------------
賛成
避妊方法の選択の幅が広がるのはいいこと。ピルは女性の意志によってできるし。
ただ、その使用方法をきちんと教える必要がある。避妊具の使用法のみならず、
正に対する考え方そのものについて真剣に取り扱った性教育の充実が必要。
ピルは女性主体で使えるのだが、新聞にも載っていたように“俺のことが好きだったらピルを使え”と言うような男性が現れないこともないと思う。その点が心配である。やはり、性や避妊は男女の共有の物であるから、性教育の充実が必要。
(20代・女性)98/03/28
--------------------------------------------------------------------------------
反対
私の意見もほぼ藤本氏と同じである。
現状の日本で、ピルを解禁するのは、非常に危険であると思う。
特に、ピルの成分が、体外に排出されて水系に影響を与えることが。
私は、滋賀にいるので、特に水に関心があるのだが人は水なしでは生きてはいけない。水にピルの成分が含まれて、それを人が摂取し、体内で濃縮し、それを子孫が継承する。いつかは、生殖が不可能になる。そのことが危惧される。以上です。
(20代・男性)98/03/28
--------------------------------------------------------------------------------
賛成
ピルがいいといっているわけではない。ただ、避妊方法がほぼコンドームに限られて「避妊は外だし」とかいう愚かなカップルもいる現状では一応確実かつ女性が主体的に行える避妊方法として選択肢としては残しておきたい。ちなみに今、女性が自身で簡便に行える避妊法は基礎体温、避妊フィルムなどがあるといわれるかもしれないが、基礎体温なんてなんの確実性もないし、フィルムはとにかく失敗しやすい(装着が難しい)。やはりピルは最終手段として身近にあって欲しい。
(20代・女性)98/04/01
--------------------------------------------------------------------------------
賛成
ピル解禁における厚生省の審議に疑問があります。少子化に繋がるとか、性感染症が増えるだとか今度はタイミング良く、環境ホルモンの問題?ピルが解禁になると誰が都合悪くなるのでしょうか?
政治は、いつも誰かが利益を得るために行われていて、行政もまた然り。人権問題や環境問題など論点にあらず。環境ホルモンの事を言うなら多大な影響を与えている本当の原因を追求すべきです。
(30代・女性)98/05/04
--------------------------------------------------------------------------------
賛成
元、看護婦の立場からだと反対です。
だって、絶対、違法な使用方法をする人たちが出てきますから。
でも、一個人としては、長期の旅行とか、生理日をある日にちに絶対避けたい時など、いちいち産婦人科に行きたくはないので、賛成です。
男の人は、わからないと思うけれども、20前後の女性で、しかも、おなかの大きくない人は、産婦人科では、目立つし、好奇の目にさらされている、と感じることも、少なくないようです。
私自身、「あっ、堕胎かな?」なんて、つい思ってしまったことも・・・
でも、副作用のある事も確かです。
女性の皆さん、よく検討してから使用しましょうね(^^ゞ
(20代・女性)98/05/04
--------------------------------------------------------------------------------
賛成
避妊薬を規制することとモラルの規制とを取り違えている日本の政府はおかしい。何かの本で読んだが、政府が避妊薬を取り締まるのは、日本女性の性行動を規制するためだとか・・・。
日本人にかけているものは、セックスがどのくらいまかないきれない責任をもたらものなのか、また、堕胎がどのくらい女性に負担がかかるものなのかといった教育がまったくなされていないことだ。
堕胎は非常に女性に負担のかかるものだし、コンドームの使用を拒否する日本の男は大勢いる。女性が 自分の体の仕組みを知り、避妊に対して選択の幅が増えるということは大切なことだ。
(20代・女性)98/06/30
--------------------------------------------------------------------------------
賛成
現在経口避妊薬を服用中です。
約1年間服用してきましたが、体重が2キロ増えてことを除けば特に副作用はありません。ただ、もともと肝臓機能が弱いので、長期の服用はかなり肝臓への負担があり、無理です。できれば体への負担が最小限である低用量ピルにしたい。昨年末の時点で主治医は今夏ぐらいには低用量ピルが解禁になると言っていたが、振り出しに戻ったと聞かされ、非常にがっかりした。
妊娠を絶対避けなければいけない女性(私がそうですが)にとって、100%に近い確率で避妊できるものはピルしかありません。
妊娠してはいけないのならば、SEXしなければいいじゃないか、という人もたくさんいますが、それは違うと思います。
SEXはただ子作りのためだけではなく、男女のコミュニケーションにとって不可欠なものだと思います。
(30代・女性)98/07/03
--------------------------------------------------------------------------------
賛成
副作用はいただけないけど、よく「やる」人には便利だと思います。
たとえ解禁されたとしても、使うか使わないかは自分次第なので早く解禁して欲しいと思います。
ちなみにあたし自身は使いたくないですが
(短期間でもむくんだり気持ち悪くなったりするのは女としてイヤだ)
友達は解禁を望んでる人が多いです。
(20代・女性)98/07/20
--------------------------------------------------------------------------------
賛成
中絶大国の汚名を挽回すべきである。アメリカでは緊急避妊のためのピルも市販されたというのに、なぜ日本はこうも遅れているのか?ピルを解禁することとエイズを予防することは、まったく別の問題である。夫婦間のセックスレスも、これで多少は緩和されるかも。(30代・女性)98/09/08
--------------------------------------------------------------------------------
ご意見から
法を作る人たちがいろいろ言って決めてるけど、使う側、ふつうの人たちは、選択肢がほしい、情報がほしい、教育が必要。
私が学校で性についておそわったことは、なんだか抽象的だったと思う。
子供をどう作るかじゃなくて、どうできるかという。
着床とかそういうことばかり。
子供をうまないこととか、現実に合った教育がされないといけないとおもう。
もしくは、環境ホルモンと女性ホルモンについてとか、そういうことも考えさせる教育が必要。
どうも法をつくる人たちは、国民ひとりひとりが、暮らしていきやすいようにということを一番の目標にしているわけではないようなので、ひとりひとりは、こうしてインターネットなどで意見をいいあうしかない。
(10代・女性)98/12/20
--------------------------------------------------------------------------------
ご意見から
「コンドームだけでも避妊は十分可能」といいますが、コンドームでの避妊率はやはりピルよりも低いです。他の方法も検討しましたが、副作用の心配はあるにせよ、やはり女性が主体的にできて一番確実なのはピルだと思います。私には万一の失敗も許されないので、より確率の高い避妊方法を選びたいです。女性が安心するために、ピルは必要だと思います。
ピルに環境ホルモンの疑いがあるというのは知りませんでしたのでショックでしたが、中用量ピルでも使いたい人には入手可能な現状を考えると、ホルモン量の少ない低用量ピルを認可したほうが逆によいのではないでしょうか。そちらからリンクされている「和田産婦人科」のページでは、「低用量ピルは安全」との見解でしたが・・・?
ピルは日本と北朝鮮以外の世界中の国々で使われているのですから、イギリス一国の結果だけで判断するのでなく、その他の国でもイギリスと同様な結果が出るのかどうか、つまり、女性のピル服用率と男性の精子減少率との間に本当に相関関係があるのかどうか、よく検討する必要があるのではないでしょうか。私自身は、男性の精子減少を防止するために、ピル禁止よりももっと先に解決すべき要因があると思います。
このページを読んで、本当に大切なこと、しなければならないことは、避妊についてどちらがイニシアチブをとるべきかということより、むしろ、カップルが自分たちのセックスと避妊について真剣に話し合える関係を築くことなのだと気づきました。「外で出せば大丈夫」なんていい加減なことを言う男性が多い中、避妊について真剣に考えてくれる男性もいるのだということを知って、とても嬉しいです。もっと他の男性の意見も聞きたいです。
(20代・女性)99/01/05
--------------------------------------------------------------------------------
ご意見から
私はピル解禁に賛成です。理由としては、
@ピルの副作用より人工妊娠中絶による肉体的・精神的ダメージの方が女性にとってマイナスが大きい
A性病予防と避妊は別の話である
Bピル解禁と性モラルの低下は関係がない
と考えるからです。
@そもそも妊娠・性病とセックスでよりリスクが大きいのは女性の方です。人工妊娠中絶は肉体的なダメージだけではなく、精神的なダメージも大きいといいます。そのダメージを受けるのもまた、男性ではなく女性です。女性はそのようなリスクを回避する、より良い方法を選択する機会を与えられるべきです。コンドームは完璧に使えば避妊成功率は高いですが、破裂したりして「完璧に」使えない場合だってあります。また、強姦など望まない性交を強いられたとき、果たしてコンドームをつけるよう、相手に頼めるでしょうか?いずれにせよ、リスクを負わない側に頼る避妊法は、避妊法として確実なものとは言えません。
Aコンドームは本当に性病予防のために使われているでしょうか?安全日だからと言われても、あえてコンドームをつける男性はいったい何人いるでしょう。ピルが「中出し」の免罪符にされてしまうのなら、性病予防したい女性はピルを飲んでいることを隠して(笑)、コンドームを着けてくれと言えばいいだけの話です。危険日だけコンドームを着けるような、実体のない性病予防を名目に、確実な避妊法を選ぶ機会を奪うべきではないのではないでしょうか。
Bピル解禁と援助交際・女性の性モラル低下は関係ありません。あったとしても、それは避妊とは関係のない話です。ピルがあろうがなかろうが、援助交際したい女子高生は援助交際します。妊娠のリスクが援助交際の歯止めとなっていないのは明らかです。「ピル解禁は援助交際しやすい状況を招くから、それを防ぐため」なのでしょうが、バカな女子高生のために、「私」は確実な避妊法という選択肢を奪われたくはありません。「援助交際そのものをやめさせる方向に導かねばならない筈である」ならば、援助交際させている男性も「止めさせる方向に導くべき」ではないでしょうか。女性の性モラルを「心配」するのなら、男性の性モラル(買春ツアーなど)も問題とされて然るべきなのではないでしょうか。
環境ホルモン作用の懸念についても、ピルだけに責任を還元するのはどうでしょうか。たとえば男性の前立腺癌の治療で使われる女性ホルモンの量は、低用量ピルの一万倍前後だそうです(病気なら仕方がないという論理も成り立ちますが)。それに、すべての女性がピルを飲む必要はない。すでに子がいてそれ以上望まないひとは、IUDやや不妊手術といった手段もあるわけです。どの避妊法がいいかは、状況や年齢によっても異なる。多くの選択肢の中から適当なものを選べるようにして欲しいと願うのは私のわがままなのでしょうか?(ちなみに避妊成功率の高い銅付きIUDも日本では認可されていない)
ピルはあくまで避妊法の選択肢のひとつです。避妊という観点から考えるともっとも優れた手段ではないでしょうか。環境ホルモンなどのピル解禁のデメリットを考えるのであれば同時に、望まない子を授かる女性の数々のデメリットも考えて欲しいと思います。
以上『AERA』(’98.12/21)を参考にして意見を述べてみました。
(20代・女性)99/01/05