井上はねこへの批判 3
以下、井上はねこ様に捧げます
| 『うさぎや日乗』12月22日夜（火）論理もへったくれもありゃしない（笑）
自分で自分の原稿にけちをつけてどうする？！ ってなもんだが、いくつかの懸案事項を放ったまま、勢いで書いてしまった今夜の仕度部屋原稿。ま、こんなもんでしょうね。 懸案事項その１は、数日前にちらっと書いていた「アエラ」のピル記事への批判文ね。その後、朝日新聞社のウェブサイトのどこかで、「強姦されて妊娠するという不幸を予防するためにもピルを解禁すべきだ」という暴論が掲載されていた。あほかいな。万が一に備えてどうして女だけが、一日もさぼらずに薬を飲み続けるという苦役に耐えねばならんのじゃ！ 必要なのは、強姦予防のための男教育じゃろが！！ その２は、前々から考えていた、宮台真司の援助交際擁護論…かと思っていたら、「これが答だ！」という本では、逃げばっかり打っていたので、まともに取り合うのもあほらしくなっている。学者ギョーカイではすでに新人がもてはやされていることだしね（笑）。第二の浅田彰と言われるだけあって、柄谷行人の子分で「批評空間」なヤツ。それだけで私は、はいさようなら、なんだけど。 （後は省略） |
【 必要なのは、強姦予防のための男教育じゃろが！！ 】
もちろん、それは必要ですよ。必要じゃないなんて全然思ってません。
避妊用低用量ピル解禁要求することが、【強姦予防のための男教育】を否定することってとるの事態が間違い。
かつてのフランスでは、中絶できませんでした。
ところが、ごく普通の女子高生だったマリ＝クレールが強姦され、ヤミで中絶。1972年、本人のマリ＝クレール、彼女を助けた母親とその同僚たちは、ヤミ中絶で、ボビニ少年裁判所に出頭。この事件はマスコミで大々的に騒がれ、この堕胎罪じたいへの反発が。中絶合法化へとすすむようになった。この事件をきっかけに、フランスでは、1975年に中絶合法が5年間の時限立法として成立。1979年には、中絶法が若干の改正を経て恒久立法となった。＜ショワジール＞会編(Association<Choisie>)『妊娠中絶裁判 マリ＝クレール事件の記録(AVORTEMENT:
UNE LOI EN PRECES l'Affaire de Bobigny)』（みすず書房） 日本語訳版は1987年３月26日発行 原著はフランスで1973年発行
又、事後避妊薬といって、性交後72時間以内に飲んで妊娠を避ける薬があります。アメリカではプリヴェン、プランＢという商品名で販売されていますが、日本では未認可。
日本では医者の判断で、ホルモン剤を大量に飲ませて代用させていますが、一応法的にはグレーゾーンなので、大っぴらには告知はだせないみたいね。私は日本でも事後避妊薬を認可し、女性達に情報を提供すべきだと思います。
強姦された女性たちのためにも、あらゆる警察、救急病院、医療期間で利用できるようになったらいいと思います。
又、コソボで大勢の女性達が強姦されました。カトリックのローマ法王はオギノ式以外のあらゆる避妊法を認めておらず、強姦された女性達が事後避妊薬の利用を許してはいませんが、カトリック教徒たちの中には「女性の不幸を減らすためにも利用を認めるべきだ」と主張している方々が現にいます。
強姦された女性の望まない妊娠を拒否する権利を認め、中絶を容認することは、女性にとっても不幸を減らすためにも、大切なことだと思っています。
事後避妊薬も、女性の不幸をへらすためにも、選択肢として利用できる状況があるほうがずっといい。
ピルも、とっさの望まない性行為で、望まない妊娠を避けるためにも、最低限の防御があるのとないのとでは、ほんと、どんなに精神的に救われるか。
だからといって、私は強姦を容認しているわけではないですよ。強姦犯に対しては厳しく罰するべきだと思っています。男が強姦しないように、予防対策をたてることも賛成ですよ。
かつて中絶が非合法だった時代に、「女性が強姦されて望まない妊娠・出産ををする悲劇をなくすためにも」という論理で中絶合法化を推進するのも、一定の理がありますよ。
かつての日本では、堕胎罪で刑務所にいれられた女性達がたくさんいたとか。
今の日本には、まだ堕胎罪というものがあります。「経済的に苦しいため」という理由でなら、医師の判断の元、特別な例外として中絶が容認されているだけで。でもその堕胎罪じたい撤廃すべきだと、私は思っています。
宮崎哲弥、小谷野敦が「強姦犯も、同様に処罰したらいい」「中絶した女だけじゃなく、強姦犯も同様に処罰されるなら、男女平等でしょうが」というような主張をしていましたが。
でもそれじゃあ、堕胎罪で女性が処罰されるのは、女性が救われない。