John Wilks 批判

 

『 Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)(ピルや他の薬品に関する消費者へのガイド)』1997

批判

 

rurikoさんからの情報です。感謝します。

カソリック原理主義者は、反堕胎・反避妊・反ピルで筋が通っています。カソリック原理主義から派生したのが、プロライフ運動。プロライフ運動はカソリック原理主義者を中核に含みながら、宗派色を表に出さないことで、「心情的プロライフ派」を取り込みつつあります。中絶経験者はいくぶんかは、プロライフ的心情を持っていますから。
日本の反ピル運動もプロライフ運動の影響下にあるのは明白です。
A Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)1997という本を見てみると、日本の反ピル運動の論理が、この本の受け売りに過ぎないことがよくわかります。参照文献のスペルミスまで引き継いでますから。そしてこの本を出したのがアメリカのプロライフ団体ALLです。日本の反ピル運動は、ALLとの関係は秘密なんでしょうか?
反ピルの論理だけ切り売りしようとすると、代替避妊法については明示できないというわけで。

John Wilks『 Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)(ピルや他の薬品に関する消費者へのガイド)』1997

AMERICAN LIFE LEAGUE HP「life issues」「BIRTH CONTROLL」は、これと他の本を典拠に、Stephen Spaulding医師が避妊ピルはおろか他の避妊法の否定をしています。
「condom」ではStephen Spaulding医師がコンドームすら「避妊、性病予防が完全ではない」と徹底的に否定しています。
「condom effectiveness」で、Joel McIlhaney医師がコンドームすら徹底的に否定。

「100%完璧で安全なのは禁欲あるのみ」「処女と童貞が結婚まで禁欲をして一夫一妻をつらぬくこと」

 

「AMERICAN LIFE LEAGUE」 HP

カトリック教徒、ジュディ・ブラウン(Judie Brown)が1979年に設立。夫と3人の子供、4人の孫にめぐまれているとか。中絶はおろか、避妊も反対。ピルはおろか、コンドームすら害悪をあげて禁止を訴え、最良の方法は禁欲だって。

ALL人脈

John Wilks『 Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)(ピルや他の薬品に関する消費者へのガイド)』1997(ALL INC.)
オーストラリアの薬剤師
「United States Conference of Catholic Bishops」→「profile」→「Issues Addressed」→「NFP forum」→1998年冬/春「Nagasaki Archbishop Blasts Birth Control Pill」長崎のShimamoto司教のピル解禁反対運動、平田国夫医師がLloyd J. DuPlantis作成の資料、John Wilksの本を元に厚生省に訴えたとか。
「Fr. Anthony Zimmerman's library」
Anthony Zimmerman
カトリックの神父
アメリカのプロライフの団体「AMERICAN LIFE LEAGUE」HP の幹部
名古屋の南山大学 神学教授 
『フネマ・ヴィテ』研究会ホーム・ページ 
主催 鹿児島教区カトリック司祭 成相明人
成相明人『フネマ・ヴィテ』研究会HP →「目次」 →講演記録「避妊ピルの上陸を阻止しよう」1997年ロイド・J・デュプランティス博士が来日し、日本でのピル解禁反対の講演をしたとか。
ロイド・J・デュプランティス博士
「AMERICAN LIFE LEAGUE」HPによると、Lloyd DuPlantis, Jr., PD」「ルイジアナの薬剤師、およびアメリカン・ライフ・リーグ国際重役会のための薬剤師のメンバー」らしい。
成相明人『フネマ・ヴィテ』研究会HP →「目次」 →講演記録「避妊ピルの上陸を阻止しよう」1997年ロイド・J・デュプランティス博士が来日し、日本でのピル解禁反対の講演をしたとか。
「japan-lifeissues.net」「避妊」
「AMERICAN LIFE LEAGUE」HP「life issues」「BIRTH CONTROL」「The Pill」「The pill a human time bomb」
↑発行の雑誌「Clelbrate Life」2001年5月/6月号掲載「The pill: A human time bomb」
「WONDERFUL DAYS」「BIRTH CONTROL」「Letter Of Lloyd DuPlantis, President Pharmacist for Life, Intl.
「Catholic World News」1997.10.10「Birth-control pill faces resistance in Japan」Anthony Zimmerman 記
「Fr. Anthony Zimmerman's library」「JAPAN'S BAN ON THE BIRTH CONTROL PILL IS SOUND MEDICAL POLICY」1997年12月7日、日本でAnthony Zimmerman による取材記事。1997年30日〜12月5日まで東京、名古屋、長崎、福岡で「ピル解禁反対」講演会をしたとか。平田国夫医師、Shirayanagi Shimamotoなどカトリック僧たちの招きだとか。そして日本の厚生省へピル解禁反対の訴えに行ったとか。
「United States Conference of Catholic Bishops」→「profile」→「Issues Addressed」→「NFP forum」→1998年冬/春「Nagasaki Archbishop Blasts Birth Control Pill」
長崎のShimamoto司教のピル解禁反対運動、平田国夫医師がLloyd J. DuPlantis作成の資料、John Wilksの本を元に厚生省に訴えたとか。
平田国夫医師
愛知県の眼科医。カトリック教徒。
平田眼科←愛知県「春日井市医師会ホームページ」より
「United States Conference of Catholic Bishops」→「profile」→「Issues Addressed」→「NFP forum」→1998年冬/春「Nagasaki Archbishop Blasts Birth Control Pill」
長崎のShimamoto司教のピル解禁反対運動、平田国夫医師がLloyd J. DuPlantis作成の資料、John Wilksの本を元に厚生省に訴えたとか。
   
吉田由布子
「エコロジーと女性ネットワーク」事務局
HP『ピル110番』
 
近藤和子
新薬学研究者技術者集団 シグマ (HP) の一員
 

 

愛知県の平田国夫医師が、Anthony Zimmerman(AMERICAN LIFE LEAGUEの幹部で名古屋の南山大学の神学教授)から色々ご指導いただいたのでしょうね。そして、Lloyd J. DuPlantis(AMERICAN LIFE LEAGUEの幹部で薬剤師)作成の資料、John Wilksの本『 Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)(ピルや他の薬品に関する消費者へのガイド)』1997(ALL INC.)を元に「ピル解禁反対」と厚生省に訴えたとか。

 

↑上記のピル反対論を、利用した政治家

いかるが卓徳(たくのり)
福岡県大野城市議員 HP
HP「議会での発言 平成12年6月 低用量経口避妊薬ピルの販売に関する請願」
山谷えり子(民主党) HP               元サンケイリビング新聞編集長
いのちを尊重する会と親密。「生命尊重ニュース」に寄稿
女子パウロ会に近い。「あけぼの」に寄稿

「国会通信」平成14年5月29日 文部科学委員会議録

【低用量とおっしゃいましたけれども、これは量を減らしたということだけではなくて、効果を、つくるために質を変えているわけでございまして、決して安全というわけではございません。

また。毎日一錠、二十一日間毎月飲み続けると、これは思春期、本当にいろいろなホルモンのデリケートな発展段階、バランスも非常にデリケートな状況のときから飲みますと、例えば、オーストラリアのピルのコンシューマーズガイドなんかにも、若いときからピルを飲み始めた女性は高い危険があるというふうにありますし、イギリスの元厚生省の役人、エレン・グランドさんは、ピル実験に加わって、恐ろしさから、今は副作用とか事実を訴える必要があるというふうに考えていらっしゃいます。

それからオランダ、デンマーク、ピルをやめてもなかなか子供ができない、あるいは妊娠しても胎児の染色体異常がふえる傾向がある。環境ホルモンなわけでございますから、体内への影響もまだまだ研究がきちんとできていない状況だというふうに思っております。 】

 


この本のピル批判の部分を、『フネマ・ヴィテ』研究会HPで和訳して紹介されています。
ジョン・ウイルクス B.Phar.M.P.S. 『消費者のためのピルその他の薬品ガイドブック』

 

 

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検索結果はこれ→John Wilks『 Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)』1997(ALL INC.)

初版はオーストラリアのFreedom Publishing Companiy Pty Ltd.の支部TGB BOOKSで1996年10月に発行された。第二版は1997年10月にアメリカのAll Inc.で発行された。

 

John Wilks『 Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)』1997

目次の和訳 のら猫の手

第1章  ピル どのように作用し失敗するか
 1.1 序章
 1.2 単語と意味
    1.2.1 ピルはどのように作用するか
    1.2.2 ピル その名前には何があるか?
    1.2.3 ピルの失敗率と誘導される中絶
    1.2.4 事例研究
 1.3 重要な要点

第2章 ピルと子宮頚癌(けいがん)
 2.1 初期の矛盾するデータ
 2.2 80年代の重要な新しいデータ
 2.3 ピル: 癌の開始剤か促進剤か?
 2.4 子宮頚癌と若年時からのピル服用
 2.5 アメリカとオーストラリアでの子宮頚癌の発生率
 2.6 ピル: ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頚癌
 2.7 ピル: HPVの生物学的活性剤
 2.8 最後の声明
 2.9 重要な要点

第3章 ピルと乳癌
 3. 1 1970年代初期の調査
 3. 2 潜伏期
 3. 4 ピル服用期間
 3. 5 若年時からのピル服用と乳癌
 3. 6 乳癌の年齢と予後
 3. 7 出産暦と乳癌
 3. 8 遺伝的素質と乳癌
 3. 9 母乳での育児と乳癌
 3.10 乳癌の発生率と死亡率
 3.11 重要な要点

第4章 ピル: 血栓症、先天的欠損症、不妊症
 4.1 ピルと血栓症
    4.1.1 事例研究
    4.1.2 結論
 4.2 ピルと先天的欠損症
 4.3 ピルと不妊症
 4.4 重要な要点

第5章 デポ・プロヴェラ
 5.1 序章
 5.2 デポ・プロヴェラの市場
 5.3 デポ・プロヴェラと乳癌
 5.4 デポ・プロヴェラとBone-Density
 5.5 事例研究: デポ・プロヴェラ Indeced Coma
 5.6 重要な要点

第6章 ノルプラント
 6. 1 序章
 6. 2 Description
 6. 3 ノルプラントの市場
 6. 4 ノルプラントのロッド除去
    6. 4. 1 事例研究
 6. 5 生理不順とノルプラント
 6. 6 Intracranial Hypertension とノルプラント
 6. 7 Silicone Disease とノルプラント
 6. 8 ノルプラントの臨床試験
 6. 9 ブラジルでの搾取
 6.10 バングラディッシュでの搾取
 6.11 結論
 6.12 重要な要点

第7章 避妊としての、バリア法
 7.1 序章
 7.2 殺精子剤
    7.2.1 殺精子剤の一般的なマイナーな副作用
    7.2.2 
()毒性ショック症候群(TSS)と殺精子剤
    7.2.3 出産阻害と殺精子剤
    7.2.4 エイズと殺精子剤
    7.2.5 
尿路感染症 (UTI)殺精子剤
 7.3 コンドームとセイフ・セックス
    7.3.1 コンドームの漏れ
    7.3.2 コンドーム使用の困難さ
    7.3.3 疫学評価とコンドーム
    7.3.4 女性用コンドーム
    7.3.5 バリア式避妊法と妊娠におけるpre-clampsia
 7.4 重要な要点

第8章 排卵誘発[促進]剤.
  8.1  序章
  8.2  不妊の定義と原因
  8.3  卵巣癌と排卵誘発[促進]剤.
  8.4  「絶え間ない排卵」と卵巣癌 
  8.5  排卵からの「休息」と減少する癌の率
  8.6  研究事例「排卵誘発[促進]剤が原因の報告されない死」
  8.7  重要な要点

第9章 妊娠中絶薬: 「事後避妊」、「RU-486」、抗悪性腫瘍薬
  9.1  序章
  9.2  人口妊娠中絶薬としての事後避妊薬
      9.2. 2  事後避妊と処方箋無しの店頭購入のピル
      9.2. 3  避妊としての事後避妊薬
  9.3  RU-486
      9.3. 1 歴史
      9.3. 2 RU-486の本質と作用
      9.3. 3 RU-486の成功率
      9.3. 4 RU-486/プロスタグランジン
      9.3. 5 事例研究 RU-486/プロスタグランジンの副作用
      9.3. 6 RU-486/プロスタグランジンによる痛み
      9.3. 7 RU-486/プロスタグランジンのわずかな副作用
      9.3. 8 RU-486/プロスタグランジンの禁忌
      9.3. 9 第三世界におけるRU-486とロスタグランジンの使用
      9.3.10 先天的欠損症とRU-486/プロスタグランジン
      9.3.11 RU-486/プロスタグランジンに対するフェミニストたちの反応
      9.3.12 RU-486のための他の利用
      9.3.13 RU-486のイメージ操作
  9.4  抗悪性腫瘍薬
      9.4. 1 抗悪性腫瘍薬の中絶手続き
      9.4. 2 抗悪性腫瘍薬に関連する危険
  9.5.  重要な要点

10章 ホルモン置換療法(HRT)
 10. 1 序章
 10. 2 更年期の定義と兆候
 10. 3 HRTにおける相反する研究の数々 1976〜86
 10. 4 1986年度のもっと堅実なデータ
 10. 5 エストロゲンの役割
 10 .6 HRTの利点とリスク
 10. 7 1989年度のBergvist study
 10. 8 1995年度の看護学 
 10. 9 HRTによる健康の代価
 10.10 静脈血栓塞栓症のリスクとHRT
 10.11 更年期におけるHRTに対する代替の医薬品
 10.12 骨粗鬆(こつそしよう)症の社会的コストと医薬のコスト
 10.13 閉経期の利点
 10.14 重要な要点

11章 インフォームド・コンセントと患者の主権
 11.1 序章
 11.2 PI及びCPIのチラシ
     11.2.1 ピルのCPI
     11.2.2 動物研究と立証された情報の信頼性
     11.2.3 排卵誘発[促進]剤.の立証された情報
     11.2.4 ホルモン置換療法におけるCPI
 11.3 家族計画関連素材
 11.4 公衆衛生の二重基準: 煙草、ピル、(中)毒性ショック症候群
     11.4.1 煙草に関する健康上のリスク
     11.4.2 ピルに関する健康上のリスク
 11.5 科学的な報告の伝達
 11.6 メディア
     11.6.1 全体像
     11.6.2 例
     11.6.3 「リンカーン医師」事件
 11.7 最後の声明

12章 付録
 12.1 付録1「プロゲステロン単独ピルの人口妊娠中絶薬作用」
 12.2 付録2「商標とタイプによるピルの系統」
 12.2 付録3「子宮頸(けい)癌の発展段階」
 12.3 付録4「妊娠期間中における薬の分類 オーストラリア」
 12.4 付録5「妊娠期間中における薬の分類 アメリカ」
 12.5 付録6「undected妊娠の中絶」
 12.6 付録7「オーストラリア、ニューサウス・ウェールズ州における乳癌の発生率」

13章 用語解説

14章 巻末の注

16章 謝辞

17章 初版への正誤表

 

 

コンドーム批判で馬脚を表した!

John Wilks『 Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)』1997 

和訳/のら猫の手

ジョン・ウィルクス『ピルや他の薬品に関する消費者へのガイド(第二版)』19997

(第1章〜6章 略)

第7章

7. 避妊としてのバリア法

「コンドームで人がHIV保持者との性行為を安全に結ぶことが可能だという考えは不条理だということが分かった」488 C・M・ローランド博士(『Rubber Chemistry and Technology』編集者).

7.1 序章
(略)

7.2 殺精子剤
(略)

7.2.1 殺精子剤の一般的なマイナーな副作用
(略)

7.2.2 (中)毒性ショック症候群(TSS)と殺精子剤
(略)

7.2.3 出産阻害と殺精子剤
(略)

7.2.4 エイズと殺精子剤
(略)

7.2.5 尿路感染症 (UTI)殺精子剤
(略)

7.3 コンドームとセイフ・セックス

 過去10年以上に渡る反エイズ・キャンペーンの唯一の焦点は、人々をあらゆる性行為感染症(STD)から防御する道具としてコンドームの品質でした。この10年に渡って、コンドームと「セイフ・セックス」とは同意語となりました。はっきりとしているのは、「コンドームを利用したセックスは、セイフ・セックスではありません」

「死神(Grim Reaper)」「つけてくれないのなら、しないわ(If it's not on, it's not on)」プロモーションは、これと同様のメッセージを増強するのを求めました。そして、もし「セイフ」がその言葉の伝統的な意味において理解されるのなら、(つまり、痛み、害、危険やリスクにさらされることから逃れるのなら)、お尋ねするのが当然の質問があります「この記述は、どのように正確か?」

ある部分、ある答えが、1987年4月4日に、アメリカの薬事品の権威である食品医薬品局(FDA)によって、全米のコンドーム製造会社に対して送られた曖昧な調子の注意書から探すことができます。食品医薬品局(FDA)が以下の通り指示をしました。

「ラテックス製コンドームとラベリングされたものなら述べるのは可能なことだが、これらを正確に使用された状態のときにおいてなら、多くの性交感染症(梅毒、淋病、クラミジア、陰部ヘルペス、エイズ)から防御する可能性がある。しかしコンドームはリスクを根絶できない。」

注目すべきフレーズが3つあります。「正確に使用された」「防御する可能性がある。」「リスクを根絶できない」。これらのフレーズは、条件、不確実性、留保、警告などの全ての要素です。それらは、その製品がよく考えられた上でのものであるという安全性と効力における、手放しの信頼の要素ではありません。

 さらに二つの警告が、上記のリストに追加記載がなされるべきです。

 まず第一の警告とは、コンドームは「正確に店頭で販売され移送」されなくてはなりません。その地域のHIV/AIDSの疫学の専門家たちの報告によると、ラテックスは熱や寒さや光や圧力に敏感で、湿気やオゾンや大気汚染などによる悪影響や時の経過による劣化と同様です。「有事に備えて」財布や車の物入れにコンドームを保持していることは、要求されるべき厳密な保存状態という条件を破壊します。

 次に、第二の警告は、コンドームは高い基準で製造されてはいないことがあるということです。何百万ものコンドームの欠陥が発見されてきました。食品医薬品局(FDA)が1988年に4万5,000個もの欠陥をとらえ、フィラデルフィア保健所が1990〜91年にかけて60万個も押収し、ニューヨーク保健所が1990年に75万個もの欠陥品を回収しました。さらにオーストラリアでも、欠陥品の回収の注意書は、少なくても3件も発生し、新聞広告で、コンドームの利用者が過去において知らないうちに経験したリスクを知らせました。

 これらの製品の回収は、人騒がせな騒動としてこれからもずっと続いて起こっていくことでしょう。この発生頻度にも関わらず、「安全性」の告示がなされている時、いつも、疑惑に近い驚きの感覚が、私にはあるということです。それはあたかも、コンドームの完全無欠さは「既成事実」として見なされているかのようです。それとは反対のニュースが驚愕の源です。医学に関する活字情報に接している者たちにとって、そのような回収は完璧に予測されることです。

 以下において、コンドームの漏れの実験に関する概略を述べます。これは、この地域の人間の健康の分野における、妨害されてほとんど放映されない調査の典型例です。

7.3.1 コンドームの漏れ

(略)

7.3.2 コンドーム使用の困難さ
(略)

7.3.3 疫学評価とコンドーム
(略)

7.3.4 女性用コンドーム

 女性用コンドーム、アメリカでは商標「Reality リアリティ」として売買可能で、英国イングランドでは商標「Femidom フェミドーム」として売買されている。オーストラリアでは、女性用コンドームの臨床が実施されていますが、今現時点では未だ売買されてはいません。

 「・・・潤滑剤を塗布されたポリウレタン素材で、両端にはそれぞれリングのある筒の形状で、膣内に挿入する ・・・ 
HIVやその他の性行為による感染症から防御できるということを完璧に実証できた医学上での研究は未だに存在しない。しかしながら、避妊に関してなら、女性用コンドームの効果の評価は、米国で6ヶ月の期間で147人の女性によって行われた。147人の女性が12ヶ月間の失敗率は約26%と見なされる。その内86人の一貫して完璧な方法で利用した女性たちは、12ヶ月間での失敗率は約11%である」534

 もし仮に12ヶ月間の失敗率約11%が避妊における有効性の基準となるのなら、性行為感染症防御の失敗率はその4倍と見なすのは当然のはずです。つまり44%。この章の初めのほうを思い出してください。女性は、彼女の生理周期のうちほんの4分の1の時期だけ妊娠可能です。従って、妊娠率は、コンドームの失敗率から測定して、コンドームの失敗率のほんの4分の1しか反映しません。

 この高い失敗率に潜む健康上の重要性はあまりにも驚異的です。もし仮に女性がこの女性用コンドームを1年間利用したら、彼女は性行為をするたびにあまりにも高い確率で性行為感染症にかかる危険性があるのです。44%は50%にほぼ近く、ほぼ2分の1の確立です。

生きていく上で危険からの防御の手段として、11%の失敗率の道具は例えどんなものでも、しかも考えられる失敗率が最大44%もの高い率の道具は、お薦めできるものではありません。

7.3.5 バリア式避妊法と妊娠におけるpre-clampsia

 さらに、殺精子剤とコンドームの両方の深刻な副作用は、pre-clampsiaで、それは妊娠の異常な状態のことで、妊娠20週あたりで始まり、妊婦が高血圧で苦しめられています。

 この症状は、妊婦の5〜7%に発症し、処置はベッドでの休息から鎮痛剤や抗高血圧(症)薬にまでわたります(535)。 つい最近まで、pre-clampsiaの原因は 「何千人もの研究者たちによる100年にも及ぶ調査を除いて」(536)知られていません。

 なぜpre-clampsiaがあるカテゴリーの女性たちに発症するのかという指摘は、 『the American Medical Association』(1989)の2つの記事で提示されてきました(537, 538)。 複数の研究者たちの報告によると、 妊娠1ヶ月よりも前にバリア法の避妊(殺精子剤、コンドーム)を利用している女性たちは、 pre-clampsiaにかかる危険が2.4倍も大きい。 つまり140%も危険だというです。 妊娠以前の避妊とpre-clampsiaの発症との関連は、 これまでずっと、医療上の症状の興味深い理由ではなく、 複雑な多くの要因が未解決であることが考慮にいれられてきました。

 pre-clampsiaを始めとする規則通りの生物学上の仕組みは、Rahwan教授によって説明されています。

「...バリア式避妊法...子宮の露出を精液から防御する。 そして女性の免疫学のシステムを、精液における男性の抗原への ゆるやかな段階的な耐性(子宮に、精液への露出が繰り返されることで、 正常な発展を形成する面もある)を許容しない。その結果、かつて避妊にバリア式を利用したことのある女性は、 精液の抗原にさらされていなかった結果、妊娠すると、 免疫学上の衝撃を(胎児に)与えることになります。 進入する胎盤の組織(受胎産物の元となる物)に対する結果としておこる母体の免疫学上の衝撃は、 胎盤の損傷と血管の収縮や拡張に作用する物 (プロスタグランジンを含む)を引き起こします。 それらは、患者に初期の陣痛を引き起こす可能性があります。」(539)

 血圧のコントロールの原因となる自然発生のホルモンの「デリケイトなバランス」への妨害は、 血管収縮を引き起こすホルモンによる支配へと導かれます。 血管が収縮するとき、血圧が上昇します。 その症状が、妊婦の間で発生する場合には、pre-clampsiaとして知られています。 生物学上の相互作用の複雑さを与えられると、殺精子剤の最近の利用への説明とつながりが、 築き上げられるのに長いことかかってきたことが、理解可能です。

要約
 バリア式避妊法が安全だとか防御してくれるとかいう視点は事実に即してはいません。妊娠、疾病(マイナーであろうと深刻な症状であろうとも)や顕著な医療上の症状はあきらかに殺精子剤とコンドームの利用が原因です。 反対の主張の伝達は、理性的な基盤の欠けた誤った活動です。 現代における生殖と性の健康の公衆の政策、それ自体は、健康のための前向きな選択肢としての殺精子剤とコンドームの推進を使用に不適と宣告することを基盤にすべきです。今こそ、政府の健康管理の権威たちによる証拠の厳密で誠実な再検討がなされるべき時です。

7.4 重要な要点

1. 殺精子剤は、30%もの高い避妊失敗率があります。

2. 殺精子スポンジは、(中)毒性ショック症候群などのような副作用を引き起こします。 殺精子スポンジは、T4 リンパ球を害し、女性性器の内部に損傷を与え、その結果、エイズに感染する可能性を高めます。

3. コンドームは自然発生の「穴」無しには製造不可能です。エイズのウィルスは、これらの「穴」よりも小さい。

4. 主な専門家たちは、性病予防としてコンドームは適切かと、批判してきました。

5. 研究所の試験結果によると、コンドームとは漏れるものだと正式に認めています。 品質保証は高くありません。

6. 女性用コンドームは、性病予防に関して、おおよそですが、ほぼ50パーセントもの失敗率があります。

7. バリア法は、pre-clampsia、先天的欠損症、高い率での自然発生の流産などのような、 医療上顕著な症状をひきおこします。

第8章 妊娠中絶薬: 「事後避妊薬」、「RU-486」、抗悪性腫瘍薬 
(以下略)

 

訳注

AIDS とは the acronym for acquired immune deficiency syndrome の略。
まずは、体液を通じてHIVに感染したら、
HIV陽性反応が出て、長期間潜伏しついにエイズに発症する。

「死神(Grim Reaper)」プロモーション   オーストラリアで1980年代末に、エイズへの注意をうながすために死神で恐怖感をあおる広告がTV放映されたとか。
「The Australian」http://www.theaustralian.news.com.au/printpage/0,5942,6771991,00.html
「If it's not on, it's not on」プロモーション   「私のパートナーがコンドームをつけたがらなかったら?」
「つけてくれないのなら、しないわ」

「クィーンズランド政府」http://www.health.qld.gov.au/sexhealth/factsheets/SafeSex_Condom.shtml

Toxic Shock syndome(TSS) (中)毒性ショック症候群 《特に黄色ブドウ球菌が関与して起こる急性疾患で, 高熱・下痢・嘔吐・皮膚紅斑・ショックを特徴とする。 タンポンを用いる女性に多く発症するが, >新生児・幼児・男性の症例もある》
urinary tract infections 尿路感染症 《一般には急性腎孟腎炎と膀胱炎の総称; 略 UTI》
pre-clampsia   研究社の辞書によると、 eclampsiaで「医】痙攣(けいれん), 《特に》子癇(しかん)」、  preeclampsiaで「子癇前症」とあった)
birth defect 先天的欠損症 《口蓋裂、フェニルケトン尿症など》

 


ジョン・ウィルクス批判

 

 ピル批判に関しては、私も難解すぎてお手上げでした。

 でも、コンドームへのイチャモンづけは、私のひ弱いオツムでも、これはひどい!というのがよ〜く分かりました。

 日本では、戦前までは避妊も中絶も犯罪でした。敗戦後1945年、避妊は解禁、中絶も一応堕胎罪がありながらも必要悪として容認という体制。売春防止法も同様。お上は男性のための性欲処理のための必要悪としながらも容認し、どれを摘発するかもお上の思惑次第という警察ファシズム。
 1960年にアメリカで避妊用ピルが認可。でも日本では、ピルは禁止。日本では海外とは違う独特な意識が形成されてしまったのですね。コンコームはごく普通に人々に利用され、中絶手術もたくさん利用されてきました。中絶手術がいいとか悪いとかいう以前に、大勢の女性たちに利用されてきたということで、ごく普通の人々の意識に危険ではないという社会通念が積み重ねられてきました。
  ところが、ピルは長いこと禁止されてきたので、ピル反対派が「危険だ」と主張したら、過剰に危険だと思ってしまう。解禁賛成派が「妊娠より安全」「中絶より安全」とデータをあげて反論をしたら、脱力しましたものね。
 ピル反対派が「コンドームも危険だ」と主張するのを知って、な〜んだ、その程度かって思いました。

 私、『週刊金曜日』の『買ってはいけない』大嫌いなのね。あんなん、大企業の商品にイチャモンつけようと思ったらなんでもイチャモンつけられるよ。
 そしたら、日垣隆が『文藝春秋』で徹底批判をし、それが単行本としても発行されて、それから大論争なったでしょ。まあ、日垣隆も保守派に媚びているイヤな感じがする。文筆業をしていく上で、保守派に媚びないとやっていけないでしょうし、今の日本の出版業界では、ダメ左翼も批判し、しかも保守派にも媚びないのようなのは、ライターとしては厳しい立場におかれて生活苦しいのでしょうね。その日垣隆の物言いにもカチーンとくるのがいるのも分かるのは分かる。大企業テロリズムのダメ左翼か、保守派の犬か、両極端のイヤな戦い。

 誰かが面白いことを書いていたけど。イスラム教では豚肉を食べるのが禁止なのね。あるインテリのイスラム教徒が豚肉の危険性をあげつらったパンフレットを発行していたとか。あらゆるものは、危険性をあげつらおうと思えばいくらでも危険だといえる。例え、豚肉が100%完璧に安全だとしても、イスラム教の信者は食べないんでしょう。それが信仰なんだから。

「踊る麻酔科最前線」
 ある麻酔科医のサイトなんだけど。外科手術において、麻酔と輸血を担当するのが麻酔科医なんだけど、そうしたら宗教団体「ものみの塔」の信者である「エホバの証人」の輸血拒否の問題に直面せざるをえないのね。
ものみの塔が発行する冊子にも「輸血にはこんな危険があります」という文章が多いけれど、信仰と科学をすり替えている。
 エホバの証人が、輸血の害悪や副作用、死亡率などの危険性をとりあげ全面否定していました。
 例の麻酔科医は、輸血の合併症を具体的に挙げた上で、でもそのリスクを上回るほどの効果があるのなら外科手術を受けたらいいって反論していました。
それらの副作用を考慮しても、やはり絶対に輸血が必要な場合はある。

 日本では、豚肉、コンドーム、中絶、輸血の危険性を訴えるのがいても、大勢の方々は「ちょっと待てよ」ってそのまま信じこまないでしょう。
 でも、日本では、避妊用低用量ピルの危険性を訴えるのがいたら、それを信じこんでしまうのが結構いる。

 それと、これは確信犯だけど、誰かが(例えあやしい狂信者でも)小難しい医学用語を並べて避妊用ピルの害悪を述べてくれたら、狂喜してむしゃぶりつくのがいるのよ。彼、彼女らの本当の動機は、若い女性のセックスへの異常な関心と憎悪なのね。

John Wilks は、まず避妊反対という考えがある。若い女性のセックス反対という考えがある。そういう信仰と、医療の学問をすりかえていますね。
「若い女がセックスしまくりやがってバカヤローッ! 結婚まで純潔を守れ」って言えばいいのに、それじゃあ無理だから「身体に悪い」って。「若い独身女性のセックスが身体に悪い」っていうのは無理だから、「避妊は身体に悪いなのね」

女性用コンドームへのイチャモンのつけ方がすごい。

1 女性用コンドームを完璧なやり方で1年間使用しての避妊の失敗率が11%

2 女性の身体の生理的な周期の内、セックスして妊娠可能な時期はその4分の一の期間である。

3 女性が妊娠可能な時期が全周期の4分の一でしかないのに、避妊の失敗率が11パーセントだと、性病予防の失敗率はその4倍とみなさないといけない。だから性病予防の失敗率は44%

4 44%は50%に近い。だからおおよそでだと、女性用コンドームを完璧に使用しても性病予防の失敗率はほぼ50%である。

なんとか、イチャモンをつけたいという卑しい性根が分かるな〜・・・・

バリア式避妊法へのイチャモンをつけたいために、副作用をなんとかこじつけています。

 

コンドームを使用すると、「pre-clampsia、先天的欠損症、高い率での自然発生の流産などのような、医療上で顕著な症状をひきおこします」 なんて、いくらなんでも無茶でしょう。

 

身体障害者の問題ですけど

 ★ 女性が、身体障害者が産まれないようにすることの倫理上での是非の問題

 身体障害者の方には申し訳ないことを書きますけど、私は本音では、身体障害者を産みたくはありません。そのための普段からの注意や努力に共感するものです。
 情報で「●●をすると、身体障害者が産まれる可能性が高くなる」なんて知ったら、●●はしないようにするという女性の気持ちは、私も共感します。妊娠中には酒を飲まない煙草を吸わない女性の気持ちは大変共感します。以上、私の立場を正直に言います。

 中絶の問題ですが。私の友人には志を持って、大企業を辞めて薄給で身体障害者の介助をなさっている方がいらっしゃいます。彼が「中絶に関する生命倫理だけどね、今はどうしても事情があって産めないからという理由で中絶をするのは容認します。ただ、出生前診断で胎児を識別して、正常なら産むけど、障害のある子なら中絶するという風に識別するのはダメ」って。私は彼のおっしゃりたいことはよ〜く分かります。けど、でも私は、障害児なら中絶する方の気持ちも共感します。彼の顔怒ってたけどね。

★ ある行為によって、身体障害者が産まれるかどうか、その医学的根拠の当否

 霊感商法やオカルト予想みたいに、その効果をどう実証すればいいのか、よう分からない説もあるでしょう。
 以前オウム真理教問題で他の多くの新興宗教団体もTVで放映していたけど、信者たちがとぎれずにお祈りを続けていないと地球が破滅するという団体があった。こういうのって、本当かどうかどう実証するのでしょうねえ?

 それと、ある悪いことが起こったなら、それと過去の行いとの因果関係を追及するのは、かなり困難です。

 身体障害者が産まれたら、その原因は何かを追及するのは困難です。

 薬剤と身体障害者誕生との明確な因果関係が実証された例はあります。サリドマイドの薬害で両手のない身体障害者が産まれたっていうのは、これはもう実証されている。
 【サリドマイドは催眠、睡眠、鎮静剤として1950年代に世界十数ヶ国以上で販売された薬で、その催奇形性により数千名の被害児が生まれました。日本では、1958〜62年、睡眠薬のほか胃腸薬にも配合され「妊婦にも安全」との宣伝のもとに販売されました。日本の被害者は1963年に国(厚生省)と製薬会社を相手に訴訟を起こし、1974年(昭和49年)に和解が成立。 】←「いしずえ」

 でもほとんどは身体障害者が産まれたら、過去を振り返って原因を追求し、きちんと因果関係を追求するのははかなり困難です。

 医者が「ピルを服用すると、身体障害者が産まれる」なんて主張すると、私もよう分かりません。大抵の人はビビルでしょうね。
 ピルの服用と身体障害者の誕生との間に因果関係があるかどうかは未だ分かりません。
 ピル反対派と、ピル肯定派との間の議論はいつまでも平行線をたどり水掛け論にしかなりませんね。永遠に決着がつかないでしょうね。