『週刊金曜日』1999年7月16日号 マスコミが伝えぬピルの危険性 神奈川県横浜市 増井秀昭 会社員(52歳) 厚生省は6月16日、低用量の経口避妊薬(ピル)を一括認可した。 今回、厚生省が認可したピルの中に、第3世代製品のピル「マーベロン」がある。 マーベロンの認可の理由を厚生省は「ほかのピルの投与が適切でないと考えられる場合に投与を考慮する」とし、 理由は血栓症という副作用の問題だという。 それは、厚生省の担当者が、 「第3世代のピルは、第2世代のピルの2倍のリスクがあり、 WHO(世界保健機関)の報告を考慮した」からだと、マスコミは伝えた。 しかしマスコミは、ピルは「安全」であり、副作用というリスクがあっても大したことはないと報道してきた。 私も今までピル解禁で女性は妊娠から解放されると思っていた。 ところが、今年2月にある人から海外でピルがとんでもないことになっていると聞いた。 情報を集めてみると、次のことがわかってきた。 ノルウェーではマーベロンを全面禁止、理由として「血栓症のリスクを高めるという試験結果に基づくもの。 ドイツとイギリスの厚生当局も同じ理由でマーベロンの使用を中止するよう使用者に勧めている」とあるではないか。 イギリスではマーベロンを含むピルで、被害者や遺族136人が製薬企業と医師を相手取り集団訴訟を起こしているという。 また、ニュージーランドでは、低用量ピルを服用した若い女性が、5年間で6人死亡しており、 この数字はニュージーランド保健省が予想したものよりずっと高いと医学雑誌『ランセット』は伝えているという。 この事実をなぜマスコミは伝えないのか。 ある女性週刊誌の編集長はこの事実を知っても何も報じなかったとある人から聞いた。 「薬害ピル」にならないことを祈るのみだ。 |