『思春期のためのラブ&ボディBOOK』への批判殺到について
山谷えり子(民主党)

 

『ピルとのつきあい方』→「掲示板(ピンク)」の過去ログより

記事No 581   [関連記事]
投稿日 : 2002/07/07(Sun) 07:49
投稿者 山谷えり子氏ウオッチャー
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題 名 Re: 山谷えり子衆議院議員の経歴

元サンケイリビング新聞編集長
いのちを尊重する会と親密。「生命尊重ニュース」に寄稿
女子パウロ会に近い。「あけぼの」に寄稿

 

記事No 587   [関連記事]
投稿日 : 2002/07/07(Sun) 16:27
投稿者 ruriko
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題 名 産経新聞と山谷議員に感謝したい

今回の動きは、カソリック系の女性団体、山谷議員、産経新聞が、
一体となって演出したキャンペーンであろう。
現在のところ、このキャンペーンに追随する動きは、
ごく一部のマスコミにとどまっている。
(朝日の地方版と「週間新潮」)
このキャンペーンが広まらないのには、
理由がある。
主張に無理があるからだ。
「思春期のためのラブ&ボディBOOK」は32ページの冊子で、
ピルについて簡単に触れているに過ぎない。
にもかかわらず、産経新聞は、「中学生に避妊薬のピルを勧める小冊子が教育現場に配布され、混乱が広がっている。」(「主張 中学生にここまで必要か」7月2日産経新聞)という取り上げ方をした。
実際にこの小冊子を手に取ってみれば、「中学生に避妊薬のピルを勧める小冊子」という受けとめ方がいかに偏向した見方であるか、すぐにわかることである。また、「教育現場に配布され、混乱が広がっている。」という表現が、いかに誇張に満ちたものであるか、すぐにわかることである。かつての共産主義国ならいざ知らず、現代の日本では白を黒と言いくるめるキャンペーンが大きな広がりを見せることはありえない。
カソリック系の女性団体や山谷議員、それに産経新聞が、ピルに対して偏見を持っており、性教育に反対であることは明らかである。そして、国民の中にそれを受け入れる人々がいることも事実である。ここに、この手のキャンペーンが生まれる素地がある。
欧米においても、二流紙と二流政治家はそれに注目したキャンペーンを繰り返してきた歴史がある。今回の出来事は、まさに歴史の再現テープを見ているかのごとき感がある。
クォリティペーパーが無視するという構図まで、同じである。
事実に基づかない、明らかに無理な主張は、実は人々を偏見から解き放つのに非常に有効に作用する。
欧米でもかつてはピルについての強い偏見があった。
ところが、この偏見に乗じて根も葉もないことをいう人々が現れ、かえってピルの信用は高まったのである。
「中学生に避妊法を教える場合、ビルだけ排除すべきだ」というキャンペーンをもっともっとしてほしいものである。
多くの人々は、そこに反ピルキャンペーンの欺瞞を見いだすに違いない。

 

 

 

批判

 

『反コンドーム派』でも、まとめましたが。

アメリカでは、

結婚まで純潔を守らせようという運動

セックスは、婚姻内セックスだけ

反コンドーム

アメリカの国立の医療センターが「性病予防のためにコンドームを利用しましょう」と宣伝したら、アメリカのカトリック団体が1万人も抗議したとか。

「ピルの副作用が述べられていない」と批判するけど、それだとコンドームの副作用は述べられていないですよ。

 

 

「反コンドーム」で詳細にまとめましたが、アメリカでは、反コンドームを主張する方々の勢力がものすごく強力なんですよ。

rurikoさんからの情報です。感謝します。
カソリック原理主義者は、反堕胎・反避妊・反ピルで筋が通っています。カソリック原理主義から派生したのが、プロライフ運動。プロライフ運動はカソリック原理主義者を中核に含みながら、宗派色を表に出さないことで、「心情的プロライフ派」を取り込みつつあります。中絶経験者はいくぶんかは、プロライフ的心情を持っていますから。
日本の反ピル運動もプロライフ運動の影響下にあるのは明白です。
A Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)1997という本を見てみると、日本の反ピル運動の論理が、この本の受け売りに過ぎないことがよくわかります。参照文献のスペルミスまで引き継いでますから。そしてこの本を出したのがアメリカのプロライフ団体ALLです。日本の反ピル運動は、ALLとの関係は秘密なんでしょうか?
反ピルの論理だけ切り売りしようとすると、代替避妊法については明示できないというわけで。

「AMERICAN LIFE LEAGUE」 HP

カトリック教徒、ジュディ・ブラウン(Judie Brown)が1979年に設立。夫と3人の子供、4人の孫にめぐまれているとか。中絶はおろか、避妊も反対。ピルはおろか、コンドームすら害悪をあげて禁止を訴え、最良の方法は禁欲だって。

「コンドームは、避妊法としても性病予防法としても不完全だから使用禁止。禁欲あるのみ」って。
まあ、例え100%完璧な避妊法、性病予防法及び治療法ができたとしても、彼らは避妊、婚姻外セックスは禁止なのでしょうが。

「結婚までセックス禁止」「セックスは婚姻内だけ」

日本では、反避妊、反中絶の主張のうち、反ピルの部分だけをまねて、訴えるのね。

アメリカでは州によって政策とかかなり違いますが、保守的な州では、現に学校で婚前の性行為を全て禁止しする「abstinence education」(富永国比古医師は「欲望をコントロールする)性教育プログラム」と紹介なさっていますが、私は「セックスの禁欲教育」と訳します)への莫大な予算の投入がなされています。
★ 性病を利用しての脅迫としか思えないプログラム
★ 妊娠して捨てられた女性の例を出しての脅迫としか思えないプログラム
★ 処女性の賛美
★ なんだかんだ言っても、男性の本音は処女がいいんだということを、少女につきつける

なんだかな〜・・・

アメリカって、えげつないぐらい商品化、拝金、物欲の塊、そして性の商品化が過熱しているってイメージがあるでしょ。それでいてゴリゴリの保守的なところはすごい保守的で・・・・よう分からない。
副島(そえじま)隆彦の説によると、アメリカに関してはNYやハリウッドのことばっかりが情報として日本に入ってくるけど、あんなのはアメリカの例外で、ほとんどのアメリカ人は田舎の泥臭い聖書根本主義者だって。

 日本のピル反対派は、妙に中途半端で矛盾だらけで一貫していないのね。
 日本では、戦後まもなくまで避妊と中絶が禁止されていた。戦後すぐ、中絶と避妊率の低い避妊法が解禁された。ところがアメリカで開発され1960年に認可されたピル、及びそれ以降の近代的な避妊法は解禁されなかった。だから、多くの日本人には外国とは違った独自の考えが形成されてしまったのでしょうね。中絶容認、ピル(ピル以降の近代的な避妊法)反対って。
 今の日本では「中絶反対!」って主張するのはアウトなのでは? それでいて、「ピル反対!」って言うのが結構勢力をもっているのでは? よう分からん。

 でも、アメリカの保守的な州で、「100%完璧な避妊法も性病予防法も治療法もないんだ」「ピルもコンドームも女性の身体に副作用があり、女性の身体に危害を加える」「100%完璧で安全なのは、処女と童貞が結婚まで禁欲して婚姻内セックスあるのみ」って主張が力を持っていて主流派なのが実在します。

 矛盾はないし、一貫しているし。さらに保守的な層が主流の社会だと、私もよう立ち向かえられないかもね。  

 アメリカでは、公の立場にある方が「性病感染予防にはコンドームが有効」なんて主張すると、ものすごい抗議が殺到した例が現に実在します。
 疾病管理センターの声明でコンドーム使用は安全性を提供すると薦めました。そしたら、内科医協会(The Physicians Consortium)は2001年7月23日付けで、ジョージ・ブッシュ大統領宛てに、疾病管理センターの責任者Jeffery Koplan博士の辞職を要求する手紙を送付しました。その手紙の内容は、疾病管理センターは「コンドームが安全性を提供すると、何百万もの女性を誤解させてきました・・・『セイフ・セックス』という健康政策を宣伝するために数十億ドルもの金が使われたにもかかわらず、疾病管理センターは to back its claims 臨床調査を欠きました」。翌日、1万人もの医者の連合がーーその中には、カトリック医学協会(the Catholic Medical Association)、下院議員ディヴ・ウェルドン内科医.、元下院議員トム・コバーンも含まれていたーー性病を予防するコンドームの有効性に関して、疾病管理センターが正確な情報を分配する義務という連邦法を破り続けてきたことで疾病管理センターを非難しました。不適切にコンドームの使用を促進することによって、「疾病管理センターは、公衆衛生を保護するというその主要な義務を怠ってきました」と、内科医協会(the Physicians Consortium) の執行委員会のメンバーであるJohn Diggs博士は言いました。
AMERICAN LIFE LEAGUE HP → 「condom effectiveness」

Vesey, W.B., HLI Reports, Vol. 9, pp. 1-4, 1991.」の研究の成果もあり、ニュージャージー州バーリントン郡は、郡のエイズ・カウンセリング・センターでのコンドーム分配を禁止するという成果をあげました。というのも、責任者たちはコンドームでの失敗の責任をおわされる危険性があまりにも大きすぎると判断したからです 。
Culture of Life Foundation & Institute HP「condom effectiveness」

 山谷えり子議員は、さあ、この例をどうとらえるのでしょうか?
 日本では、こんなの、まず受け入れられないでしょうね。

 アメリカのカトリックの、反避妊、反中絶のうち、ピル反対の部分だけつまみあげて主張なさる。

 


山谷えり子 HP →「国会通信」平成14年5月29日 文部科学委員会議録

 今お読みになられたハンドブックのところで、意図的かどうかわかりませんが、女性がみずからの体と心を守る観点からというところを抜かされました。私は、心と体を、このピルを若年から飲むことによって、守られないのではないかというふうに考えているものでございます。

 低用量とおっしゃいましたけれども、これは量を減らしたということだけではなくて、効果を、つくるために質を変えているわけでございまして、決して安全というわけではございません。また。毎日一錠、二十一日間毎月飲み続けると、これは思春期、本当にいろいろなホルモンのデリケートな発展段階、バランスも非常にデリケートな状況のときから飲みますと、例えば、オーストラリアのピルのコンシューマーズガイドなんかにも、若いときからピルを飲み始めた女性は高い危険があるというふうにありますし、イギリスの元厚生省の役人、エレン・グランドさんは、ピル実験に加わって、恐ろしさから、今は副作用とか事実を訴える必要があるというふうに考えていらっしゃいます。それからオランダ、デンマーク、ピルをやめてもなかなか子供ができない、あるいは妊娠しても胎児の染色体異常がふえる傾向がある。環境ホルモンなわけでございますから、体内への影響もまだまだ研究がきちんとできていない状況だというふうに思っております。
 WHOは、発がん性の十分な証拠があるというふうにしております。日本の女性の雑誌にも、副作用として吐き気、出血、頭痛など一割。これは、体の大きさとか、いろいろ国によっても副作用は違うようでございますけれども、日本の場合で一割あるというふうに書いているところもございます。そのほかに、骨粗鬆症、亜鉛欠乏、肝機能障害、代謝異常、いらいら、抑うつ、心筋梗塞、脳梗塞。現在のいろいろな情報でも、飛行機に乗るときは、エコノミークラス症候群になるからピルを飲む人は非常に気をつけるようにというような情報もあるくらいで、決して安全ではなくて、副作用をきちんとここに書かないということはフェアな情報の伝達ではないというふうに思っております。子供の体へのこれは人権侵害だというふうに思っております。
 この教材の制作の後ろの方に、低用量ピルの製薬会社八社により共同運営されているOC情報センターより支援を受けましたというふうに書いてありますが、これはピルの会社からお金をもらってこれをつくったということでございますか。  

ピル反対の論拠

★ John Wilks『 Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)(ピルや他の薬品に関する消費者へのガイド)』1997

John Wilksはオーストラリアの薬剤師。
初版はオーストラリアのFreedom Publishing Companiy Pty Ltd.の支部TGB BOOKSで1996年10月に発行された。第二版は1997年10月にアメリカのAll Inc.で発行された。

コンドーム批判で馬脚を表した! ↓以下、私の和訳で紹介します。

要約
 バリア式避妊法が安全だとか防御してくれるとかいう視点は事実に即してはいません。 妊娠、疾病(マイナーであろうと深刻な症状であろうとも) や顕著な医療上の症状はあきらかに殺精子剤とコンドームの利用が原因です。 反対の主張の伝達は、理性的な基盤の欠けた誤った活動です。 現代における生殖と性の健康の公衆の政策、 それ自体は、健康のための前向きな選択肢としての殺精子剤とコンドームの推進を 使用に不適と宣告することを基盤にすべきです。 今こそ、政府の健康管理の権威たちによる証拠の厳密で誠実な再検討がなされるべき時です。

7.4 重要な要点

1. 殺精子剤は、30%もの高い妊娠失敗率があります。

2. 殺精子スポンジは、(中)毒性ショック症候群などのような副作用を引き起こします。 殺精子スポンジは、T4 リンパ球を害し、 女性性器の内部に損傷を与え、その結果、エイズに感染する可能性を高めます。

3. コンドームは自然発生の「穴」無しには製造不可能です。 エイズのウィルスは、これらの「穴」よりも小さい。

4. 主な専門家たちは、性病予防としてコンドームは適切かと、批判してきました。

5. 研究所の試験結果によると、コンドームとは漏れるものだと正式に認めています。 品質保証は高くありません。

6. 女性用コンドームは、性病予防に関して、おおよそですが、ほぼ50パーセントもの失敗率です。

7. バリア法は、pre-clampsia、先天的欠損症、高い率での自然発生の流産などのような、 医療上顕著な症状をひきおこします。

 彼は、若い女性のセックスに異常な関心と憎悪があり、まずはそのために避妊に反対となったのでしょうね。

 

 

★ エレン・グラント(Ellen Grant)『ビターピル 経口避妊薬の落とし穴(The Bitter Pill)』(メディカ出版)
 英国で1985年に出版され、日本では1992年に翻訳・出版されました。