阿藤正道様からいただいたメールを、許可を得て転載させていただきます。
ただし、元のメールでは批判対象者の実名を挙げていたけど、このペイジに転載するにあたって、イニシャルや伏字にしてほしいとの要望がありましたので、そうした部分は見分けがつくように、この色にさせていただきます。それと、阿藤さんが引用されていた私のメールの前には < 引用符がついているのと、見分けがつくようにこの色で。それと後になって誤字脱字をみつけましたが、そのままにしておきますね。
自分のホウムペイジで、彼のホウムペイジについてもふれたので、一言ご連絡しました。そしたら、1999年5月3日に、彼から返事が。
●●●● ●●●さま、 メールありがとうございました。また、小生のホームページをご覧くださりありがとうございました。 ローマ・カトリック教会は現在も、”公式見解”としては、人為的避妊はご法度....ということになっています。 また、現行のカトリック教会法典には、妊娠中絶をするものは破門と書かれています。 しかし、現実には妊娠中絶で一般信徒が破門された......という話は聞いたことがありません。それどころか、避妊をみとめていないためか、カトリック信者が妊娠中絶する割合は非カトリックの夫婦よりも多いくらいだ....という調査結果さえある...という話を聞いたことがあります。(ただ、又聞き情報なのでウラがとれてませんけど.....) 日本のカトリック信徒は女性が多く、その多くは信者ではない人と結婚するので.........。いろいろと難しい問題もあるようです。 避妊用ピルをはじめ、いわゆる人為的避妊はカトリックでは禁じられているということになっていますね。だから、あのマザーテレサも、自然な家族計画は認めてはいますが、人為的避妊については厳しい態度をとられていたようです。その根拠とされているのは、1968年に教皇パウロ6世がだした「フマーネ・ヴィテ(人間の生命)」という回勅です。 この回勅が出される前に、教皇が各方面からの学識経験者などをあつめた諮問委員会があって、避妊にたいして寛容な立場に立つ意見が多数派だったそうです。しかし、教会内部の保守派の圧力のためか、教皇がだした回勅は人為的避妊は認めない....というものでした。 しかし、この回勅についての歴史家の評価はちょっと違うかも知れません。 たとえば、世界史の年表などをみると、この回勅は、「条件付きで避妊を認めた」と記されているのですね。 小生のホームページなどで紹介しておりますが、実際にはカトリック国と呼ばれる国でも低用量ピルがかなり普及しているようです。それは、イタリアやフランスの合計特殊出生率を見れば明らかではないでしょうか。 今年、避妊用低用量ピルがようやく日本でも認可されることが確実になったとのことです。 これが医薬品として認可されるかどうかという問題と、 それを夫婦が使うかどうかはまったく別次元の問題ですね。 わたしの考えでは、その夫婦が避妊する必要があるとして、どのような方法をとるかは、夫婦が話し合って一番よいと思わ れる方法をえらべば良いと思います。その結果、「自然な家族計画」を選ぶ人がいても良いし、「子供が何人生まれても良い」という選択をする人がいても良いだろうし、また、ピルやコンドームをつかうことを選んでも良いだろうと思うのですね。 ■■■の■■教会所属のHさんという医師が、カトリックの信徒としてはピル解禁反対の中核的存在のようですね。 ただ、H医師の専門は眼科だとのことです。つまり、専門外! また、彼らの主張は、科学的な検証にたえられるようなシロモノではない!と思います。 たとえば、尿に排出される低用量ピルが環境ホルモンとして問題になるのなら、それよりもホルモン量の多いその他のステロイド系の医薬品すべてを規制しなくてはならないことになります。また、すでにピルが普及したヨーロッパで、下水中に排出されるホルモンが問題になったなんて話しは聞いたこともない。 また、使徒ヨハネネットというHPを作っているHYさんは大阪大学出身の内科医です。私(42歳)よりも一回りは若い方ですがなぜか恐ろしいほどに保守的な内容のホームページを作られていますね。 マリアの出現のような超自然現象に異常な興味を持たれているようで......ちょっと怖い感じがします。この人たちの態度は、要するに『自分たちがカトリック正統派である』ために、(ピルをつかわざるを得ないような人たち、事情で中絶をせざるをえない人たちのような)弱い立場にある人を平気で踏みつけているのではないか、と私には思えてなりません。 避妊の問題にかぎらず、伝統的な教会の教えでは、たとえば同性愛者の人たちを一方的に断罪してきました。でも、最近は、カトリック教会の中でも、そのような教会の姿勢をみなおそうという動きがあるのですね。 ●●さんのホームページ、まだまだ工事中とのことですが、いろいろなテーマが取り上げられているようですで、楽しみにしております。 いろいろと勉強させていただけるのでは、と期待しております。今後ともよろしくお願いします。また、なにかお気づきの点があれば遠慮なくご指摘くださるようお願いいたします。 あとう まさみち P.S. 小生、教会では不良信徒ですが、本職は化学者で、某私立大学で化学を教えております。そんなこともあって、H医師のような科学的に不正確な情報を平気で流す狂信的な人たちには警戒心と反感を抱かざるをえません。 |
又、私からもお返事をだすと、彼から1999年5月5日にお返事がきました。
●●さん、メールありがとうございます。 > ホウムペイジで狂信的な方を批判し、そのことで阿藤様のペイジのことも乗せまし >たので、「ややこしいことに俺まで巻き込むなー!」って嫌がられるかなあと心配で >したが、そんなことなかったのでホッとしました。ほんと、泥沼の騒動が巻き起こら >なかったらいいのですが。 ご心配なく! とっくの昔(約2年前)に泥沼の大喧嘩をしております(笑)。 それ以降、Hさんのホームページにあった小生のHPへのリンクが消えました! Hさんのホームページを除いてみたら、最近、■■の司教がピルの承認について懸念を表明したというカトリック新聞の記事を引用しておりました。 小生、この記事について、カトリックのメーリングリストに次のような意見を投稿しました。 そのうち、ホームページの方にも時期を見て掲載しようかと思っているのですが......。 参考になると思いますので、その投稿を以下にペーストしておきます。 わたしの経験では、カトリックの信徒や聖職者のなかには例のホームページの作者のような狭い考え方に凝り固まった人もおりますが、大部分はごく普通の常識をもったごく普通の人間集団です。 以下のような意見を公にしても、とくに苦情のメールがくることはありませんよ。 ただ、九州地方の神父さんたちは、全体的な傾向として保守的、守旧的で権威主義的傾向が強いようですね。 ちなみに、この■■の司教さんは今年あたり停年(75歳)で引退されるとか......。 **********( 1999.4.19 カトリックメーリングリストへの小生の投稿より)**************** (略) 先月のカトリック新聞の記事ですが......。 ------------ 引用開始 ---------------------- =カトリック新聞(3月21日)= ★低用量ピル承認に懸念=HT・■■教区司教、宮下厚生大臣に要望書 ■■教区のHT司教は、3月3日、厚生省の中央薬事審議会(厚相の諮問期間)において定用量ピルの認可について審議がなされることを聞き、その開催前の2月27日、一カトリック司教としての立場で、同27日付けで宮下創平厚生大臣あてに「低用量ピルの認可についての要望書」と題する文書を提出した。結果的には六月に開かれる同部会においてピルの使用が承認される見通しとなったがH司教は、「女性の真の解放につながる画期的な薬であるかのように報道されているこの低用量ピルが、実は女性の体と心までをむしばみ、中絶される胎児の数がさらに増す可能性が高い薬であることを知らせる必要があると思った」として、要望書送付の動機をつぎのように語っている。 「カトリックの一医師から低用量ピルの審議が間近に迫っているとの知らせと資料を頂き、他の方々との連携をとれないまま、とりあえず一司教として反対の意向を表明しました。医学者でノーベル生理・医学賞のアレクシス・カレルは「自然の法則を無視するものは、自然から手痛いしっぺ返しをうけるであろう」と警告していますが、私たちはすでに数々の環境汚染の被害を経験しています。ダイオキシン等と違って低用量とはいえ、人体に直接薬をつかって自然の法則の働きを阻害し続ける時、取り返しのつかない事態が人類(とくに生命を宿す女性の上)に及ぶことを恐れています。さらにそれが倫理道徳におよぼす影響は計り知れません。..........」 (以下、省略) ------------------引用終了-------------------- 『他の方々との連携をとれないまま、とりあえず一司教として』行動されたとのことです。これも教区の独自性というものでしょうか? 私には、これが不協和音というものではないかしら.....と思えてならないですが.....。 ついでに書いておきますが、厚生省が低用量ピルを医薬品としての認可するかどうかという問題については、私は教会は口を出すべきでないというのがわたしの考えです。 それぞれの夫婦がどのような方法で産児制限をするかは、夫婦が話し合って選択すればよい問題です。 また、上記の記事でピルに反対している理由がなんとなく科学的には不正確な文章に思えてならないですね。 カトリック教会の偉い人たちの見識を問われることになると思いますが......。 このカトリック新聞の記事の論理でいけば、頭痛薬とか風邪薬も手術で使う麻酔薬も抗がん剤、各種抗生物質や農薬なども「自然の法則を阻害するもの」として使用を禁止するよう要求しなければならないことになりますよね。 あのバイアグラなど、副作用で何人も死者さえ出ているのだから真っ先に反対すべきではなかったのでは???? だいたい、ヨーロッパでは(カトリック国も含めて)避妊用の低用量ピルが普及しており、「どうして日本で低用量ピルを認可しないのか」と言われていることをご存じないのでは.....。 あとう まさみち |
彼に、彼からのメールを私のホウムペイジに転載することの許可を得るメールを出しましたら、1999年5月14日にOKの返事が。
阿藤正道です。 メールありがとうございました。また、「のら猫の手」ホームページで小生のHPを引用、紹介してくださりありがとうございます。 > 阿藤様のメイル、その通りと共感したのはもちろん、とても味わい深かったです。 > もしよろしかったら、私のホウムペイジに、この前の阿藤様からのメイルを全文掲 >載させていただいてもよろしいでしょうか? どうぞ、ご自由になさってください。 ただ、個人名などは適当にイニシャルに変更しておいてくだされば、ありがたいと思います。 たとえば、 ■■の司教 -- 某○○教区の司教 ■■氏 --H氏 などのように......。 > 私は、自分が今すぐピルを使いたいとかいうのじゃなく、それよりもピルをめぐっ >ての思想に興味があるんです。反対派の意見を分析中です。これを分析することで、 >日本の保守反動派のことも分かるのではと思います。反対派の意見も、握りつぶさ >ず、掲載していくつもりです。このホウムペイジ、結構面白いことになってくれるか >な? 今後を期待したいと思います。いろいろな立場の意見を拝見できるのは面白いですね。 この問題についてのカトリック教会の「慎重な姿勢」は、表向きはキリスト教の倫理とか生命感、自然法の理解に基づくものとされています。 おそらく、マザーテレサのような方の主張は、政治的要素は抜きにして純粋に宗教的な信念からくるものでしょう。 でも、それとは別に、政治的な(それも右翼的、反動的)背景があって避妊、中絶、ピルなどに反対している人もいるような気がします。 私のHPでも紹介していますが、ジンマーマンという神父の本にこんなことがかいてあるのです。 http://www.netpassport.or.jp/~watohj/myopinion_7.htm 「もし、来世紀、私たちの地球に百十億の人たちが住むようになるのであれば、彼らはほぼ確かに、私たち五十七億人が今日享受しているより、もっと快適な生活を送っているでしょう。二十五億人しかこの地上にいなかった1950年ごろ、その二倍の人間が住んでいる今日、どんなにいい暮らしができるか想像もできませんでした。........」 このアメリカ人の神父、回勅フマーネ・ヴィテ(1968年)が出される以前の1960年代にも似たような主張の本を出しているのですが、個人的意見として 「人為的でない避妊方法」さえも認めたくはない!ということを書かれていたように思います。 このような人口増加を手放しで喜ぶような考え方は一体誰にとって有利か、を考えると、大企業とか金持ちとか、この世の権力者の利益を見事に代表しているように思われます。 一方、ピル解禁に積極的な人たちの中にも、いわゆる製薬会社の利益代表のような人もいるような気がします。 日本で低用量ピルが解禁されれば、相当な規模の新たな市場が生まれるわけですから.......。 ピルを扱う個人輸入業者もあるようですね。(貴HPで見つけました) 薬事法上の問題はないのかな? 私は避妊用低用量ピルは、当面は、医師の処方箋によって利用されるべきだと思うのですが.....。 今後ともよろしくお願いします。 阿藤正道 |
そら、製薬会社の方々も「ピル解禁で儲けるぞ〜」って、ピル解禁派の運動に関わってるでしょ。関わっていないわけないって! 大人の社会のリアリティからしても、そら関わってるでって見るのが当然ね。
中絶が禁止されてる国で、中絶解禁のための運動に産婦人科医たちが関わってても別にいいですよ。たとえ闇中絶医に渡されてる金が正規の医者のもとに流れるようにって金儲けが動機だとしてもね。共闘したらいい。中絶手術を望む女性たちにとっては解禁されたら助かるのだから。
私は、中絶や避妊を望み、それらで助かる女性がいる限り、産婦人科医が中絶で利益を得たり、製薬会社がピルで利益を得るのは非難しませんって。あまりにも不当な暴利でない限りはね。助かる女性がいるんだから。
私らが気をつけなくてはいけないのは、産婦人科医がキチンとした手術をしてくれるようにコントロウルできるかどうか(昔、子宮にムチャクチャなまねをされた患者が、フジミ産婦人科医を訴えた事件あったな〜・・・)、患者達が自分で判断するための薬や医療に関するキチンとした情報公開と、テクノクラートたちが暴走しないように下からコントロウルできるようにすることでしょうね。
薬害エイズのときみたいに、厚生省と製薬会社が利益を得るために、非加熱製剤にHIVの薬害があるのを知ってるくせに一般に隠したり、騙して使わせたけど、未だに情報公開や下からのコントロウルができないのが問題やわ。
それと個人輸入代行って薬事法上、どうなんでしょう? 私も、ほんと、うといです。私も、当面は医者に相談しながらの服用が大切だと思います。避妊薬だけ輸入して服用なんかするんじゃなく、お隣の韓国や中国では解禁されてるから、あちらの産婦人科で診断してもらって処方してもらうってのはどうでしょうね?