ピルや避妊に関する本 それに中絶に関する本も。1990年代

 

ピーター・ブローヴィック&トニー・パーソン『避妊の革命』(かまわぬ書房) 英国で1984年に発表され、日本では1990年に翻訳発行された。  
マイケル・J・ゴーマン『初代教会と中絶』

原書名はMichael J.Gorman『ABORTION AND THE EARLY CHURCH』1982年に米国で発行。
そうそう。誤植で「early」が「earlw」なってやんねん。

平野あい子(ニ松学舎大学文学部非常勤講師)による】で1990年7月16日にすぐ書房から発行。

著者も、訳者も、中絶反対派。
家庭総合研究所『昭和家庭史年表 1926〜1989』(河出)1990年7月20日  
女性の情報をひろげる会『女たちの便利帳 0号』(ジョジョ企画)1990年12月1日発行  これ以降、続々と改訂版が発行されるようになった。

 「避妊」に関する情報を探してみると、
 東京では、「ジョイセフ 家族計画国際協会財団」の「◎家族計画の国際協力部門です」、森冬実の「からだのおしゃべり会」の「◎避妊・中絶・出産などのガイダンスや立会もします」、大阪では、「関西・大鵬薬品労組を支援する会 マイルーラの毒性を考える会」

 ろくなんなかったんやなあ。森冬実の本読んだけど、私にはピルやIUDにとんでもないイチャモンをつけるためって感じた。「関西・大鵬薬品労組を支援する会 マイルーラの毒性を考える会」の主張にも反対。

ウイルキー博士、ウイルキー夫人(DR. & MRS. J. C. WILLKE)『わたしの生命を奪わないで(ABORTION QESTIONS & ANSWERS)』燦葉(さんよう)出版社 日本語版は1991年4月19日発行 原著はアメリカで1985年、改訂版が1988年、第4刷が1989年発行 燦葉(さんよう)出版社の発行者は白井隆之

著者の序文の末に「Jack and Barbara Willke」

「息子「Joe」が協力してくれたって。

アメリカの妊娠中絶反対のプロ・ライフ派の夫婦の出した本。

最初のカラー写真で、「まだ生きて成長中」って親指大の胎児。イヤ〜ンやめてええええ。

「第29章 産児制限」では、避妊ピル、IUDすら精子や卵子の堕胎だって、反対しています。

 菊田昇医師が1990年にオスロで開かれた国際生命尊重会議に日本代表として参加して、【そのとき、ジョン(←ジャックちゃうん?)・ウイルキー博士より1冊の本を贈られました。それがこの本であります】って。
 訳者が菊田昇(のぼる)。もう故人で1926(大正15)〜1991(平成3)年8月21日。
経歴はこの本によると
【1926年宮城県石巻市生まれ。1949年東北大学付属医学専門部卒。1956年東北大学より学位授与。1957年秋田市立病院産婦人科医長。1958年石巻市に菊田産婦人科・肛門科医院を開業】。
著書が
『私には殺せない』現代企画室(1973年)
『この赤ちゃんにもしあわせを』人間と歴史社(1978年)
『天使よ大空へ翔べ』恒友出版社(1979年)
『赤ちゃんあげます』集英社(1981年)
共著『いまなぜ優生保護法「改正」か』現代書林(1983年)
『お母さんボクを殺さないで』暁書房(1988年)

 私が菊田医師のことを初めて知ったのはNHK−BSの海外のニュース。古い古い映像で、日本の東北の産婦人科医師が。なんやろ思って見てたら、かつて中絶を希望する患者たちに「世間体が悪くて産めないっていうのなら、ヤミで養子縁組をしてあげるから」と説得して産ませて、それと子供ができなくてほしいけど戸籍に養子縁組と記録に残るのが困る方々には、その人が産んだことにしてナイショで斡旋したとか。警察沙汰になったけど、菊田医師自身は「自分はいいことをしている」と信念をもっていたとか。逆に海外からは、1991(平成3)年4月27日、国際生命尊重連盟から、胎児を中絶から守ったと「世界生命賞」を授与されたとか(最初の受賞者がマザーテレサで、二番目)。
 で、その後、日本人の解説者に場面が変わり、色々とその事件のことを解説していた。
 母にそのニュースのことを話して「菊田医師って知ってる」って聞くと、母「うん。もう、ものすごい大ニュースやったのよ」やて。

 で、TVで過去の偉人を再現ドラマ化するん、あるでしょ(『知ってるつもり?』か『驚き桃の木20世紀』かなんかそんなの)。それに菊田医師事件が取り上げられるっていうので観ましたよ! もうお亡くなりになられたのね。ただ、TV製作側は美談とまとめるために、最後に菊田医師の望んだ養子縁組制度の改正案(中絶の動機や、子供がほしくっても養子縁組をしたがらない方々の動機が、出生の秘密をしられたくないってことをよく知っていた菊田医師の望んだのからしたら不充分やったみたいやけど)を「よかったよかった」ってとりあげたのはいいけど、中絶期間の短縮まで「いい話」ととりあげたのはどうかな〜思うけど・・・。菊田医師の運動成果なんてものやなく、ただ単に出生率低下になり、政府が出生率をあげるためにしたことちゃうん? せめて、その法律の変更に反対している女性団体もとりあげるべきだったのでは?

篠田達明『法王庁の避妊法』(文藝春秋) 1991年5月発行  新潟の産婦人科医が、診療の傍ら、女性の排卵日と生理日との関係を解明して論文を発表して、世界中に衝撃をあたえた。彼の名は荻野久作(おぎのきゅうさく)(1882(明治15)〜1975(昭和50))。その理論を応用したオギノ式避妊法は、避妊反対のカトリックの法王も特別に認めた。
 これは、彼の生涯を題材にした小説。目のつけどころはいいけど、筆者が能無しで全然面白くないの。しかも後書きによると、自分が書きたかったからって言うよりも、「書かないか」と依頼されたかららしい。後書き読んだだけで、つまらないって分かるけど、一応読んだった。荻野医師が中絶を望む患者の依頼を断わったけど、後で患者が子供を産んで「中絶しなくて良かった」ってお礼を述べるってエピソ−ド、それって実話〜? 作家の創作なら問題やで。ったく。
編著・横浜女性フォーラム 製作・女のネットワーキング・プロジェクト『新版・女のネットワーキング』(学陽書房)(初版発行1987年6月6日/新版一刷発行1991年11月15日)  ピルや避妊についていい情報ないかな〜と思って読んだけど、全然・・・。ろくなんないわ。「第1章 女のこころとからだを取り戻そうネットワーク」読んだけど、ピル解禁要求運動とか一切なし。で、大阪の「マイルーラの毒性を考える会」の販売禁止を求める運動は絶対間違っている(後に『週間金曜日』の『買ってはいけない』で山中登志子って女編集者に賛同されていたけど、『文芸春秋』で徹底批判された。私はこの点に関してだけは『文芸春秋』のほうに共感)。他に、避妊についてふれてあるのは、東京の森冬実の運動と、ウィメンズセンター大阪(例の『ピル 私たちは選ばない』って本だしたのね。ペッサリー・スペキュラム指導やて)、東京の「からだ相談室 じぐざぐ」だけ。避妊に関しての情報や運動が、どんだけ貧しかったかがよ〜く分かる。
女性の情報をひろげる会『女たちの便利帳 1992〜1993』(ジョジョ企画)1991年11月22日発行 「避妊」について探すと、
東京では、 ★ 「オープンハウス」の「クリニックの避妊相談です。特にペッサリーの使用法も教えます。女性が主体的に使える避妊具で、膣の中に入れて子宮の口をふさぎ、精子を子宮内に入れないようるにすものです。(番内和枝)」 ←すごい!すごい!
 ★ 森冬実の「からだのおしゃべり会」の「◎ピル・IUD(子宮内避妊具)・コンドーム・ペッサリー、などの情報も伝えていきます。」って読者に誤解与えまっせ。正確には「反ピル、反IUDのゴリゴリの闘士。ピルの解禁には徹底反対し、法による規制を訴えています。避妊にはなんといってもペッサリーとコンドームを第一にお薦めしています」って紹介しなくては。【●『からだのおしゃべり』亜紀書房刊1300円。】って、ピルやIUDに無茶なイチャモンつけるために出した本やん。
大阪では、★「関西・大鵬薬品労組を支援する会」の「◎毒性のある避妊具「マイルーラ」の販売中止活動」←私は、全然同意しませんけどね。
★大津市の杉本医院 「◎内科・産婦人科です。乳癌検診、中絶・避妊の相談ができます」「◎IUDなど自分に合った避妊をすべきです」「◎ダイヤルQ2などで広くみのりつつある避妊法や避妊の知識をテープで流してみたいと思っています」すごい!すごい! ところが、最新版のんを読むとないの。医院閉めちゃったのかなあ残念。 
エレン・グラント(Ellen Grant)『ビターピル 経口避妊薬の落とし穴(The Bitter Pill)』(メディカ出版) 英国で1985年に出版され、日本では1992年に翻訳・出版されました。  徹底的にピル反対の本。私は納得がいかなかったけど・・・
『ファルマメディカ 10-1』(メディカルレビュー社) 1992年1月 「避妊」で検索したらでてきた。図書館にリクエストしたら、ずいぶんたってから電話で図書館司書から「古い雑誌で、国立国会図書館からの貸し出しもダメ。知りたい該当の個所を指定してくれたら、有料でコピーしたのを送ってくれますが」やて。全然読んだことないから、どこをコピーしてほしいかすら分からん。
ダイヤグラム・グループ編集『新版 ウーマンズ・ボディ(THE MODERN WOMAN'S BODY)』(鎌倉書房) 1992年2月15日発行 2,233円 原本は(たぶん英国で)1990年に発行。 『新版』とありますが、1977年に(たぶん英国で)『WOMAN'S BODY - AN OWNERE'S MANUAL』が出版され、1980年9月に日本で翻訳されて『ウーマンズボディ』として出版されたのね(←これは未チェック)。で、英国で1990年に『新版』が発行され、日本では1992年に翻訳・出版されたと。

 これはお薦め。役に立つ情報をたんたんと懇切丁寧に説明してあるだけで。へんな道徳の押しつけもないし。
 ただ、この原書の著者がダイヤグラム・グループってだけで、どこの誰なのか説明が全然ないのが残念。普通、訳者による後書きで原書の著者に関して詳しく説明されるはずなのにね。訳者の解説は、不親切。訳者自身も、よう分からないのか?

小野清美『アンネナプキンの社会史』(JICC(ジック)出版局) 1992年8月10日発行 生理用品の歴史
石浜淳美『性のヘルスケアB 家族計画と避妊(第2版 )』(メディカ出版) 1992年9月1日発行 初版は1988年9月29日発行、第2版は1992年9月1日発行

避妊の歴史から、避妊法までとても充実した内容

ちなみに著者は1915年生まれで、1941年に九州大医学部卒

秋山洋子『リブ私史ノート』(インパクト出版会) 1993年1月25日 秋山洋子は1942年産まれ。70年代リブの活動家。

「榎木美沙子と中ピ連」では、彼女を批判。ピル解禁要求をあせるあまり、かなり勇み足の活動をやりすぎて、他のリブの方々を怒らせたのね。
 彼女は元々「ウルフの会」に参加し、そこのメンバーたちにピルを体験してくれと薦め、会員8人が帝国臓器のソフィアCと大日本製薬のエナピッドをそれぞれ20日ずつ服用してみたけど、なんともないのもいれば、気分悪くなったのもいて、積極的な賛美はしなかった。なのに、榎木美沙子は、「ウルフの会」名義で自説の、「ウルフの会」のメンバーたちが出した結論と違う論旨のパンフレットを販売。「ウルフの会」は、彼女に抗議し、パンフレットの販売中止を要求。
 その後、1972年に榎木美沙子は独自に中ピ連を結成。

「ピルは本当に良いものなのか」で、
彼女は、ピルの解禁じたいには賛成。ただ、【ピル解禁の運動は、中絶自由化の問題と同じように、ピルの持つ限界や危険性をよく知り、知らせながらおこなわれなければ、ほんとに女たちのためにはならないだろうと、私たちは考えている】

ゲイリー・ノース『中絶救助隊』

原書名:Gary North『TRESPASSING FOR DEAR LIFE:What Is Operation Rescue Up To?』1989年発行

床田 亮一【訳】で暁書房(1993-03-25出版)

反・中絶の本。

【「聖書の教えに従い、体内の赤ちゃんを救う」ことを至上命令としている生命尊重派の中でも極右のグループである。ランドル・テリーがその創始者であり、中絶病院の前にピケを張り、中絶手術を受けに来た女性から胎児を救う闘いを繰り広げている。】

 キリスト教経済学所長が、反中絶の、程度の低いアジビラを書いたのね。原題が「オペレイション・レスキューに何が起こっているのか?」やけど、ほとんど、キリスト教の教えばかりを喚きたるばかりで、で最後の「結論」で「オペレイション・レスキューに小切手を」って。は〜スカスカ・・・なにか現代アメリカの社会問題を知るための資料なるかなあ思ったけど、全然。ようこんなしょうもないの、日本で翻訳して出版したなあ。

 まえがきを書いたのが宇田進(東京基督教大学教授・共立基督教研究所所長)
【著者ノース博士は、ウエスト・ミンスター神学校(筆者はそこで彼と知り合う機会をもった)で神学を修めた後、カルフォルニア大学より経済史の分野で博士号を取得。現在、前出のキリスト教経済研究所を主催しつつ、アメリカ再生論で広く注目されている「クリスチャン・リコンストラクション」(Christian Reconstruction―詳しくは『新キリスト教事典』いのちのことば社に寄せた筆者の解説参照)運動の一人であり、その著書も三十冊にものぼっている。】やて。

解題を書いたのが、辻岡健象(小さないのちを守る会)

辻岡健象(けんぞう)『小さな鼓動のメッセージ』(いのちのことば社) 1993年6月10日 「ちいさないのちを守る会(プロライフ ジャパン)」代表。キリスト教の牧師 1933年生まれ。奥様は敏子。

『百万人の福音』に1990年10月号〜1993年3月号に連載したのをまとめたのやって。

 「ちいさないのちを守る会(プロライフ ジャパン)」1998年発足で、代表 辻岡健象牧師、会員約700名(1990年1月)、2000名(1993年)
@中絶の防止
A養子縁組の斡旋
Bいのちと性に関する啓蒙教育
C中絶体験者へのキリストの福音による救いの提供

辻岡健象『小さな鼓動のメッセージ』(いのちのことば社)(1993年6月10日発行)(『百万人の福音』に1990年10月号〜1993年3月号連載)は、妊娠中絶反対派の人脈や歴史が分かるから、そういう意味では利用価値大。

堀口貞夫、堀口雅子『避妊の教科書』(自由企画出版)1994年発行
 著者二人は産婦人科医です。
 「お上のなさることには全て間違いございません」ってな感じの、体制べったりの匂いが鼻につくとこが・・・。
 あっでも、「少子化で日本が亡びる!」なんてえらいニュースで騒がれてて、厚生省が「出生率を上げるにはどうしたらいいのか」なんて会議開いている時代に(世界人口が多過ぎるんやし、江戸時代みたいに2,000万人ぐらいなってもええやんって思うけどな)、避妊に関する情報を女性に教えることは、かなりやばかったと思うし、女性たちと直接現場で対応している産婦人科医として、厚生省への媚びよりも女性たちからのお願いの方をとって避妊法の本をまとめて出版したのかも。又、厚生省に「女性たちのために、ピルの解禁をお願いします」って主張しているところもいいですね。
 ちなみに二人は、1997年に「性と健康を考える女性専門家の会」を設立。
荻野美穂(おぎのみほ)『生殖の政治学―フェミニズムとバース・コントロール』(山川出版)1994年発行  結構面白かったです。
 ただ、彼女も、文脈からしたら、ピルに嫌悪感をいだいていて、ペッサリーがすたれたことを残念に思っているような・・・。そういう思想の女の系列があるみたいね。
 性欲が売買春などの諸悪の根源という感じで、セックスに関してかなり禁欲的。「ピルやIUDのせいで、女が性交可能状態で待機させられる」って一文があったような。それがいやなの? それとところどころ、うさんくさいところがあった。「白人奴隷」? なにそれ〜? そしたら藤目ゆき『性の歴史学』で解明できたし、こっちの本のほうがずっと格が上やで。
女性の情報をひろげる会『女たちの便利帳 1994〜1995』(ジョジョ)1994年1月1日発行 避妊(家族計画)に関する情報を探してみたけど、
東京では「オープンハウス」、森冬実の「からだのおしゃべり会」、「自然育児相談所」、「女(わたし)のからだから '82優生保護法改悪阻止連絡会」、大阪ではゼロ。どんだけ貧しかったか。

 それにしても森冬実の「からだのおしゃべり会」の紹介!
◎ピル・IUD(子宮内避妊具)・コンドーム・ペッサリー、などの情報も伝えていきます】って読者に誤解与えまっせ。正確には「反ピル、反IUDのゴリゴリの闘士。ピルの解禁には徹底反対し、法による規制を訴えています。避妊にはなんといってもペッサリーとコンドームを第一にお薦めしています」って紹介しなくては。【●『からだのおしゃべり』亜紀書房刊1300円。】って、ピルやIUDに無茶なイチャモンつけるために出した本やん。

『資料 日本ウーマン・リブ史 U 1972〜1975』(ウィメンズブックストア松香堂) 1994年1月25日発行 えらい馬鹿でかくて重い本。A4サイズぐらい。あの頃の、泥臭くも、すさまじい熱気が伝わってくる。
出雲井晶『小さき生命のために 一産婦人科医の罪と栄光の奇跡』(中央公論社)1994年2月25日発行 『大衆文芸』平成4年3月号〜平成5年2月号に連載されたのをまとめた本。
菊田昇医師の生涯を題材にした小説。
美談としてまとめようとするのはいいけど、私は違和感を感じる部分もあった。アメリカのプロ・ライフ団体からの表彰されたのを賛美したりするのは、問題あるけど、まだ許す。ただ、反中絶の主張が強すぎて困る。
『セクシャルサイエンス3-3』(日本アクセル・シュプリンガー出版)1994年4月発行。 図書館にリクエストしたら、「雑誌なので、国会図書館からも借りられない」って。
『家族計画便覧』(社団法人日本家族計画協会) 1994年10月20日発行 3,000円  これはお薦め! 避妊をめぐる歴史とか、懇切丁寧な資料。ほんと、私、こういうのが知りたかったから助かりました。
毎日新聞社人口問題調査会編『新しい家族像を求めて 毎日新聞社・第22回全国家族計画世論調査』(毎日新聞社) 1994年10月20日  これは結構お薦め
『避妊 スライド 性教育1』(大修館書店) 1995年2月 地元の図書館にリクエストしたら、スライドなので、図書館で購入できないって。
ピ−タ−・ブロ−ヴィック、トニ−・パ−ソン『避妊革命』
原書はPeter Browich & Tony Parson『CONTRACEPTION』1984年版と1990年版があるみたいです。英国のOXFORD UNIVAERSITY PRESS.出版。
日本語版は1995年3月3日、かまわぬ書房から発行。
 
著書/ハリエット・ギルバート、イラスト/クリスチーン・ローチェ『性の女性史』(現代書館) 1995年4月15日発行。 原書は Harriett Gilbert & Christine Roche『A Women' History of Sex』1988年発行。椎野(しいの)信雄、朴和美(パク・ファミ)によって翻訳された。
池下育子・監修『彼と彼女の避妊講座』(ナツメ社) 1995年8月21日発行 1953年生まれの女医。

 未だ、避妊用低用量ピルが解禁されていなかった1995年に発行されたの。月経困難症の治療のために認可されていた中用量ピルを、希望する患者に医師の判断で避妊用に転用されたいて、彼女も、それも避妊の選択肢の一つとしてすすめていた。1999年に認可された。

二至村菁『エキリ物語GHQと日本の医師たち』中央公論新社1996/02  
上笙一郎(かみ・しょういちろう)・編 「日本<子どもの権利>行書 17」『高田義一郎・著「優良児を儲ける研究」』 (久山社) 1996年4月25日発行 上笙一郎は、この本の紹介によると、1933年産まれ。日本児童文学学会・日本子ども社会学会の理事だとか。

高田義一郎(1886(明治19)〜)(医者)が1926年に隆文館から発行した『優良児を儲ける研究』を、復刻したのね。
だから読みにくいったらないのよ〜。

巻末に、横山浩司(法政大学教授の解説。優良な子どもをほしがるための、古い古い手引書を、なぜ今復刻したのか、解説ではよう分からん。なんで? どういう意図で?

上笙一郎・編 「日本<子どもの権利>行書 18」『安部磯雄・著「産児制限論」』 (久山社) 1996年4月25日発行 1912年、実業之日本社から発行された本の復刻。安部磯雄・著「産児制限論」

巻末の解説は大濱徹也(筑波大学教授)。

安部磯雄は、1865年、幕末の、慶応元年に福岡黒田藩士の次男として誕生。牧師。欧米留学。同志社大学教授。東京専門学校講師。社会主義協会の会長。早稲田大学野球部初代部長。学生野球の父。

 大濱徹也は、安部磯雄への評価は、複雑だ。

 貧民階級の休載の為に産児制限の知識を身につけようという思想(量的規制)と、「不具、低脳といふが如き悪遺伝を断つ」という優生思想(質的改善)とが混在しているから。
「恋愛ー愛情をふまえた性欲の肯定を前提に」と、
「貧困にあえぐ人、ハンデキャップを負うて生きねばならない人への冷たいまなざしがある」

上笙一郎・編 『日本<子どもの権利>行書 第二期 19巻 中尾音吉・著「プロレタリヤと産児調節」』 (久山社) 1996年4月25日発行 1930(昭和5)年に発行された中尾音吉・著『プロレタリヤと産児調節』の復刻。

中尾音吉は大阪在住の医師。当時の帝国主義国家は、人口増加をもくろんでいて産児制限を危険思想として弾圧していたのに、日本産児制限協会」「優生相談所」の活動を支援し、労働者階級の女性達が避妊や性について知識をもたねばならないと考え、庶民のための教科書として本書を執筆したとか。

解説は野本三吉(のもとさんきち)横浜市立大学教授。

上笙一郎・編 「日本<子どもの権利>行書 20」『小泉英一・著「堕胎罪研究」 早田正雄・著「私生児保護すべきか」』 (久山社) 1996年4月25日発行 解説は佐々木保行(やすゆき)(鳴門教育大学教授)。

小泉英一(1892〜1978)は刑法学者・法学博士。1948(昭和23)年7月13日に公布された優生保護法の成立に多大な影響を及ぼした。
『堕胎罪研究』は、1934年に巌松堂書店から発行。
その後、1956(昭和31)年に、第二次世界大戦後の社会の変化や進展を補うためにさらに資料等を補足した『堕胎罪の研究』を敬文堂出版部から発行。

早田正雄『私生児保護すべきか』は、1925年に巌松堂書店から発行された。東京市社会局勤務の法学士。

北村邦夫監修『ピルの分かる本』(日本短波放送)1996年6月10日  
『Dr.(ドクター)クロワッサン 女の病気大事典』(マガジンハウス) 1996年6月5日発行 雑誌『クロワッサン』の特別版

ピルに「賛成」に北村邦夫(日本家族計画クリニック所長)、堂本暁子(あきこ)(参議院議員)。
宇野澄江(すみえ)(ウイメンズセンター大阪)が「対等ではない男女の性の関係をまずなんとかすべき。ピルを「選ぶ」土壌はまだありません」て。一応「ピルの認可には反対ではありません」がやて。

「堕胎罪があることを知っていますか」「あなたも中絶で有罪になるかもしれません」って。結構、お薦め。

ロジャー・ローゼンブラット『中絶―生命をどう考えるか 』

原書はRosenblatt Roger『LIFE ITSELF』米国で1992年に発行
訳者は、くぼた のぞみ で、晶文社 (1996-06-30出版)

 
ジョジョ企画『女たちの便利帳 1』(ジョジョ) 1996年7月1日発行 避妊についてふれてあるのは、東京では森冬実の「からだのおしゃべり会」、「避妊」とはふれてはいないけど「家族計画の国際協力部門です。」の「家族計画国際協力財団」、オープンハウス。大阪ではナシ。

 ちなみに、森冬実の「出産準備&からだのおしゃべり会」に関する紹介で、【●ピル/IUD(子宮内避妊具)/コンドーム/ペッサリーなどの情報も伝えていきます。】って読者に誤解与えまっせ。正確には「反ピル、反IUDのゴリゴリの闘士。ピルの解禁には徹底反対し、法による規制を訴えています。避妊にはなんといってもペッサリーを第一にお薦めしています」って紹介しなくては。

 それと性病に関して相談があったのが、東京では、「エイズと避妊についての相談を受けています」とあった「オープンハウス」、「エイズや性病の検査ができます」とあった新宿トシコ産婦人科医院だけ。大阪ではナシ。

飯島早苗・鈴木裕美『法王庁の避妊法』(論創社)1996年12月発行  大正時代の新潟の産婦人科医が、診療の傍ら、女性の排卵日と生理日との関係を解明して論文を発表して、世界中に衝撃をあたえた。彼の名は荻野久作。その理論を応用したオギノ式避妊法は、避妊反対のカトリックの法王も特別に認めた。
 これは、彼の生涯を題材にした戯曲。

 ずっと前、舞台化されたのをTV放映されたのを観た。私にはあまり面白くなかったけど。

北村邦夫+JUNIE編集部『ティーンズ・ボディーブック』(扶桑社) 1997年3月20日発行  避妊用低用量ピルが未だ認可されていなかった時代に書かれたものなので。月経困難症の治療薬として認可されていた中用量ピルを、このころからも北村医師は、患者のために転用していました。骨の硬い方や。避妊用低用量ピルの認可を訴えています。

イラストは、『おるちゅばんエビチュ』『微熱なバナナ』の漫画家、伊藤リサ。私、大ファン。ただ、精子や卵子とかを擬人化して分かりやすくしようとしているけど、私にはかえって分かりにくいや。

 私には、1987年発行の女のためのクリニック準備会編『ピル 私たちは選ばない』(女のためのクリニック準備会)の写真やそのものずばりのイラストのほうがほうが分かりやすかった。ただ、ナマが怖い男の人は、これ見たら卒倒するかなあ・・・。

「1992年11月、滑剔q書房より出版されたものに加筆・改訂したものです」やて。

藤目ゆき『性の歴史学 公娼制度・堕胎罪体制から売春防止法・優生保護法体制へ』(不ニ出版) 1997年3月25日初版第二刷(普及版)発行  これは超お薦め! 彼女は学者にしては女性を見る目が上質な方で、歴史の解読のしかたも上質。 売春防止法実施以前には、娼婦達の組合があったこと。戦後の売春防止法を通過させた女性議員達の動機が、娼婦たちへの同情じゃなく、差別だったこと。娼婦達が売春を警察がとりしまる法律の可決に猛反対してビラ配りからデモ行進までやったこと。目からウロコがおちました。
 荻野美穂『生殖の政治学』や、産経新聞「20世紀特派員」取材班『20世紀特派員』B細見三英子「あらしの性」に感じたうさんくささを、これで解明できた。最初は過激な反体制だったマーガレット・サンガーは、後に権力ベッタリになり、優生保護の考え、つまり、劣等な子供の出産を抑制しようという考えにつき、権力の援助をえられるようになったとか。やっぱり産経、細見三英子「あらしの性」、そこのとこ、ごまかしています。又、荻野美穂『生殖の政治学』で「白人奴隷」って出てきたから、なんやそれ?って驚いたけど(←説明なし)、この本読んでただ単に白人娼婦のことで、米国の偏狭な社会浄化運動の純潔教育主義の方たちが「」女性が自発的主体的に売春に従事するとは想像できなかった」「フェミニストたちは自己を奴隷の救済者とみなした」やて。独善の押しつけだったのね。藤目ゆきのほうが、娼婦たちの立場に理解と同情があるよ。
 又、戦後まもなく、1955年に東京で開催された「第5回国際家族計画国際会議」は、日本の人口を減らすために政財界から米国が一致団結して日本の人口抑制へとすすんでいったこと。ビックリ! で、今、又、日本政府「少子化で国が亡びる! 産めよ殖やよ」でしょ。極端やなあ。
 ただ、レイアウトがイマイチ。字が細かいくせに一段組みやから、縦長すぎて読みにくいったらありゃしない。せめてニ段組にしてえや。
松峯寿美(まつみねひさみ)『おんなのボディブック』(主婦と生活社) 1997年6月9日

著者は東峯婦人クリニック院長。

 これは結構おすすめ。

セックス、避妊、人口妊娠中絶、PMS(整理前のイライラ)、性病(STD)、妊娠、出産などなどあらゆることを総合的に分かりやすく懇切丁寧な情報をあたえています。

ピル解禁以前に発行されたものだけど、避妊用低用量ピルについての説明をしていて、解禁を要求しています。

「本書は1989年に刊行した『顔よりからだ。おんなのボディーブック』を普及版として改良したものです」やて。

デイヴィッド・ハルバースタム『ザ・フィフティーズ』 下巻「ピル解禁」(新潮社) 1997年6月25日

David Halberstam『THE FIFTIES』アメリカで1993年発行

 50年代のアメリカを象徴するするものに関するもの集大成。その一つとして「ピル」に関する詳しい情報も。避妊が未だ違法で、科学者達は保守派たちにおびえながらも避妊薬を開発した。ところが、特許をとらなかったために、最初は違法の避妊に関して及び腰だった製薬会社に利権を奪われ、開発者達は不遇の後世を送ったとか。
小林拓郎編『ピル避妊のすべて ―低用量ピルの新時代―』(医薬ジャーナル社)1997年9月発行 5、600円!  医療関係者のための本って感じ〜・・・。
John Wilks"Consumer's Guid to The Pill and Other Drugs"All Inc. 1997年10月発行 初版はオーストラリアのFreedom Publishing Companiy Pty Ltd.の支部TGB BOOKSで1996年10月に発行された。第二版は1997年10月にアメリカのAll Inc.で発行された。

rurikoさんからの情報です。感謝します。
カソリック原理主義者は、反堕胎・反避妊・反ピルで筋が通っています。カソリック原理主義から派生したのが、プロライフ運動。プロライフ運動はカソリック原理主義者を中核に含みながら、宗派色を表に出さないことで、「心情的プロライフ派」を取り込みつつあります。中絶経験者はいくぶんかは、プロライフ的心情を持っていますから。
日本の反ピル運動もプロライフ運動の影響下にあるのは明白です。
A Consumer's Guide to the Pill and other Drugs(2nd ed.)1997という本を見てみると、日本の反ピル運動の論理が、この本の受け売りに過ぎないことがよくわかります。参照文献のスペルミスまで引き継いでますから。そしてこの本を出したのがアメリカのプロライフ団体ALLです。日本の反ピル運動は、ALLとの関係は秘密なんでしょうか?
反ピルの論理だけ切り売りしようとすると、代替避妊法については明示できないというわけで。

ピルだけじゃなく、コンドームすら全否定!

『インパクション105号 特集 ピルから見る世界』(インパクト出版会)1997年11月発行。
 ピルとはどんな薬なのか 丸本百合子 ←ただこの方だけは悪くないですよ。よかったら読んで。
 避妊の歴史の中のピル 荻野美穂
 避妊/ピルを通してセックス&人間関係を考える 原田瑠美子・安田容子・大橋由香子
 日本でピルが認可されない理由 芦野由利子
 ホルモン避妊法が当たり前の国 草野いづみ
 セックスワーカーから見たピル 桃河モモコ
 「女性が必要とする避妊」VS「人口政策の手段としての避妊」 長沖暁子(ながおきさとこ)
 実際にピルを飲んだ10人の声 「ピル利用者へのアンケート」から 大橋由香子
 男性から見た避妊 森岡正博
 こんな避妊をやってきた 篠崎師範(しのざきふみのり)
 <孕ませる性>の自己責任 中絶・避妊から問う男の性倫理 沼崎一郎
 文学における避妊 避妊とは誰のものか 岡真理
 すっごい期待して読んだのに全然ダメ。左翼インテリの衰退を象徴するダメなゲットー雑誌。ここからは絶対一般には影響を与えられないし、広がらないでしょうね。
久保秀史『日本の家族計画史 明治/大正/昭和』(社団法人日本家族計画協会)1997年11月27日発行 期待して図書館にリクエストしたけど、読みにくい〜。編集者が能力ないのね。
木村好秀、齋藤益子『家族計画指導の実際 豊かなセクシュアリティを求めて』(医学書院) 1998年1月1日  避妊の歴史から、今現代利用されている避妊法の情報、避妊指導まで、かなり充実した内容です。
中野東禅(とうぜん)『中絶・尊厳死・脳死・環境―生命倫理と仏教』雄山閣出版 (1998-03-05出版)  
藤野豊『日本ファシズムと優生思想』(かもがわ) 1998年4月15日 アメリカでも日本でも、避妊や中絶推進者の中には、優生思想の方々がいらっしゃったのですね・・・。
井口泰泉『生殖異変―環境ホルモンの反逆』(京都)かもがわ出版(1998-05-24出版)  
井口泰泉【監修】・環境ホルモン汚染を考える会【編著】『環境ホルモンの恐怖―人間の生殖を脅かす化学物質』PHP研究所 (1998-05-25出版)  
産経新聞「20世紀特派員」取材班『20世紀特派員』(産経新聞)B 1998年5月30日発行 細見三英子「あらしの性」
産経新聞の連載を本にまとめたの「初出/産経新聞・平成九年十月十四日〜十年二月六日掲載」
 これは、最初のほうはすごい良かったですよ。おすすめ。かつてのアメリカでは女性に避妊技術を教えるのが犯罪だったけど、マーガレット・サンガーは避妊に関してひらけていたヨーロッパで避妊技術を習得し(子宮にふたをするペッサリーね)、何度も何度も刑務所にぶちこまれながらも女性たちに避妊技術を広め、避妊が女性解放の武器となったのがドラマティックに分かりやすく描かれています。彼女と日本とのかかわりもね。彼女や仲間達が科学者に資金援助をして女性用の避妊法を開発してもらってできたのが、経口避妊薬ピル(アメリカでは1960年に認可)。
 ただ、最後の方で少し、うさんくささも感じた。マーガレット・サンガーの評価は日本で高いこと、逆に外国では彼女をたたえるHPには彼女への批判が殺到していること。その本では、ただの偏狭な連中からの悪口って受け流しているけど、やっぱり、なんかあるのでは?
 そしたら、藤目ゆき『性の歴史学』で解明。最初は過激な反体制だったマーガレット・サンガーは、後に権力ベッタリになり、優生保護の考え、つまり、劣等な子供の出産を抑制しようという考えにつき、権力の援助をえられるようになったとか。やっぱり産経、そこのとこ、ごまかしています。
久保 春海【監修】;菅 睦雄【著】『安全・確実! 安心の ピルの本』(保険同人社)1998年6月20日発行 ちなみに菅睦雄は リプロヘルス情報センター の方。
ロナルド・ドゥオーキン『ライフズ・ドミニオン―中絶と尊厳死そして個人の自由』     

[原書名はRonald Dworkin『LIFE’S DOMINION』
初版は1993年にクノップ社から出版され、1994年にペイパーバック版としてランダムハウス社から出版された。

訳は、水谷 英夫と小島 妙子(二人とも仙台の弁護士)で、信山社出版;大学図書〔発売〕(1998-06-20出版)

著者は中絶容認派みたい。「みたい」って、法律やら憲法論で、私にはかなり難解で困った困った。
女性の情報をひろげるジョジョ企画編『女たちの便利帳』(ジョジョ)1998年7月17日発行  大阪で避妊に関する活動はないかチェックしたけど、ナシ。
 東京でハッキリと「避妊」について触れてあるのは、例の森冬実の「出産準備&からだのおしゃべり会」、後は「生きることと性を考えるOYKOTネットワーク」、「オープンハウス」、青嶋医院、新宿トシコ産婦人科医院だけ。「家族計画国際協力財団」は、「避妊」とはハッキリ書いてはいませんね。

 ちなみに、森冬実の「出産準備&からだのおしゃべり会」に関する紹介で、【●ピル/IUD(子宮内避妊具)/コンドーム/ペッサリーなどの情報も伝えていきます。】って読者に誤解与えまっせ。正確には「反ピル、反IUDのゴリゴリの闘士。ピルの解禁には徹底反対し、法による規制を訴えています。避妊にはなんといってもペッサリーを第一にお薦めしています」って紹介しなくては。

早乙女智子『女医さんシリース 避妊―STD(性感染症)対策も確実に、賢い選択を』(主婦の友社) 1998年8月発行  一番のお薦め。 日本では解禁されていない避妊法も紹介し、ピル解禁を訴えています。ちなみに彼女も産婦人科医で「性と健康を考える女性専門家の会」 の役員
綿貫礼子、松崎早苗、武田玲子『環境ホルモンとは何か 2 日本列島の汚染をつかむ』
武田玲子  8「生の決定 − セックスとジェンダーは分けられるか」、 9「医薬品としての科学物質 − DESの60年」

(藤原書店)1998年9月30日発行 収録
 
森冬実『女の体 私たち自身』(毎日新聞社) 1998年12月発行。  第1章〜第3章はいいですよ。中絶に対して否定的なことは書いていないし。(女性の情報をひろげるジョジョ企画編『女たちの便利帳』(ジョジョ)1998年7月17日発行での紹介によると、中絶する女性のためのサポートもやってるって公言しているし、腹くくってま)。
 ただ、最後の第4章は、ピルやIUDへのイチャモンつけるのに費やされたって感じ。なんなんだ、この人?
 でもこの本を全否定はしません。カトリックみたいに「避妊じたいダメ、中絶禁止」なんて意見の人だと、女からはソッポをむかれるけど、とりあえず彼女は避妊、中絶じたいは否定はしてはいませんものね。
 避妊法は特に子宮にふたをするペッサリーをお薦め。
 最後の締めに【 常に避妊をしてあるからだでいることは、イコール「sexはいつでもOKよ」と受け取られ可能性がある。親しくなった男女の間では「避妊をどうするか」という話題が登場するだろうが、IUDをしていると、「いいじゃない、避妊をしているんだし」と、おざなりなsexになりがちだ。望まないsexも、しかねない。そういう話を聞くたびに、「IUDによる避妊をしているっていうことで、ワタシたち女は単なる穴になりさがってしまうのか!」と、ガクゼンとしてしまう。】ってあった。本当はそれがいやなの? でもそれって、あなたこそ、女性を見る視点がゲッスイんちゃうん? それと女性のセックスを被害者意識でしかみれないような・・・ なんか、そういう思想の女の系列があるよ、絶対!
 そして最後は草田央が海外のピル使用説明書を和訳したのを載せ、ピルに不安感をいだかせるような締めで終わり。後書きは草田央への感謝の言葉が。この本は「AIDS SCANDAL」ここで紹介されています。このサイトでの草田央もピルへのイチャモンつけがとんでもない。なんかそういう人脈があるみたいね。この二人とこの会の情報求む。
北村邦夫『体にやさしいピルの本』(講談社) 1999年6月発行
 後書きで、マーガレット・サンガーの孫アレクサンダーとのやりとりが面白かった。彼は、これ以上日本政府が裏切るなら、直接全面闘争をしかけるって。ピル解禁なってよかったけど、その直接対決もみたかったな〜と思う。いや、ひょっとして又お上の一言でピル解禁がダメになる可能性がまだあるけど(笑)。そのときは是非。うちも韓国や中国にピル購入トゥアでも企画しましょうかね。

 ただ、19ペイジの「ピルはデメリットよりもメリットが大きい」ってイラストはどうかな〜思うで。逆に、反対派が「ピルはメリットよりもデメリットが大きい」なんてプロパガンダしたらやでしょ。どっちもどっちやな。

 「35歳以上で煙草をたくさん吸う方がピルを飲むと、血管の循環が悪くなって血栓症で死亡する確立が高いけど」とかのリスクを教えた上で、後は女性が「それでもいい。妊娠・中絶よりはまし」ってピルを選ぶなら彼女の自己決定だって。もちろん、女性が中絶も体に悪いと知った上で「それでも中絶する!」ってするなら、他人が「体に悪いからダメ」って禁ずるのは余計なお世話なのね。

倉智敬一『くわしくわかるピルの本』(中央公論新社) 1999年6月発行  
中村理恵子『中村先生、ピルって何ですか?』(ベストセラーズ) 1999年7月発行  
早川篤正『Dr.ハヤカワのピル・バイブル』(経済界) 1999年7月発行  
倉智敬一『ピル服用指導ガイドブック』(医学書院) 1999年7月発行  
芦野由利子『ピルのことを知りたい ―性と避妊を考える―』(岩波ブックレット) 1999年7月19日発行  (社)日本家族計画連盟専従職員。
芦田みどり『The ピル 人生まるごと楽しみたい女性に贈る』(法研)1999年8月発行 「性と健康を考える女性専門家の会」 の役員。
私、大阪、1999年7月17日(土)の千里中央での彼女のピルの講演会に行きましたよ。よかったよ。でも12月のその会主催の講演会でもらった資料によると、彼女、もう辞められたみたい。
加藤俊治(としはる)・尾澤彰宣(あきのぶ)『ピルと性感染症がよくわかる本』(有紀書房) 1999年8月17日刊 『論点73 ピル解禁で性は乱れるか』北沢杏子「性の紊乱論争の前に少女たちがピルを使える環境整備を急げ」
北沢杏子【69年に性教育教材会社アーニ出版設立、現在、共同代表】
多賀理吉『やさしい低用量ピルの自己管理』(医薬ジャーナル社) 1999年9月発行  A4サイズぐらいの薄っぺらい本で、活字が大きく読みやすい。ピルを利用したい女性たちのために、必要最小限の情報を提供したって感じ。
池下育子『安心して使える初めてのピル』(宙出版) 1999年9月30日発行  
レオン・スベロフ & フィリップ・D・ダーニー『避妊ガイドブック』(光文堂)
原本はLeon Speroff & Philip D.Darney『A Clinical Guide for Contraception』はアメリカで1996年に発行アメリカで1996年に発行され、日本では翻訳本が1999年9月30日発行 4,600円
 翻訳者たちは、「性と健康を考える女性専門家の会」 の役員たち。監訳・我妻尭、編訳・早乙女智子、その他。
 この本の面白さは、アメリカ人筆者が、スウェーデンやオランダなどのほうが避妊に関する意識は進んでいるのではと相対化しているところ。日本なんか、そのアメリカで認可されている避妊法の多くが未認可なのよ。日本は遅れすぎなのね。海外の避妊状況を知る上で重要。
 私、今、アメリカよりも、北欧やオランダに興味をもっているのね。
高山雅臣・松井宏夫『Pill book』(双葉社) 1999年10月30日発行  
安達知子(あだちともこ)・菅睦夫(すが むつお)『低用量ピルハンドブック』(医学書院) 1999年11月1日出版 ちなみに菅睦雄は リプロヘルス情報センター の方。
『日本の論点2000』(文藝春秋) 1999年11月10日 『論点73 ピル解禁で性は乱れるか』→北沢杏子「性の紊乱(びんらん)論争の前に少女たちがピルを使える環境の整備を急げ」
【69年に性教育教材会社アーニ出版設立、現在、共同代表】
編者・日本論争史研究会 編集人・宮崎正行『ニッポンの論争2000』(夏目書房) 1999年12月20日 板坂剛『ピル・バイアグラ論争』
解禁された後だからか、ピル反対論を揶揄したような感じ。
『低用量ピル(OC) 医師向け情報提供資料・服用者向け情報提供資料』(薬事日報社) 1999年12月14日発行 詳細な資料で、すごい役にたちそう。でも、筆者とか編集集責任者どころか、発行責任者の名前が一切ないの。それってかなり不自然。

 

 ↑以上、『紀伊国屋書店 インターネット仮想書店』 の会員なって、「ピル」「避妊」「家族計画」「バースコントロール」「受胎調節」「中絶」「堕胎」で検索したのを、図書館にリクエスト。