小谷野敦『もてない男』

 

 まず最初に。私、もてません。まあ、読者は私のHPを読めば、このことはすぐ分かるでしょうけど「こいつ、もてないな(笑)」。
 私、もてない方々には、共感と同情をしています。決して見下したり嘲笑したりなんかしません。

 小谷野敦。もてないことに関しては私も同情するし、共感するし。
 でも、なにも、そこまで根性がネジケンでも・・・って思ってしまう。保守反動、抑圧的になり、他人の性の解放を許せん!ってならんでも。
 小谷野敦がヤケに気になる。
「好きなのか?」
 ちゃうわ! 日本の男のイヤ〜なところのコアって感じ。

 


 小谷野敦、宮崎哲弥は、もてない男で抑圧的

 伊田広行、松沢呉一とは対極の位置にいると思う。


 朝日の『論座』で、林道義の専業主婦賛美をどう思うかで、それぞれが評論。
まず、伊田広行が、林道義の説を批判。
で、小谷野敦。彼は専業主婦賛美。この順番で、既に『論座』は、伊田広行の論より、小谷野をとったって感じがした。

 その後、小谷野敦は、朝日新聞でもしょっちゅう出てくる。朝日は伊田広行よりも、小谷野敦をとったって感じ。
 朝日の編集者は、小谷野の保守反動ぶりがいいのか? 朝日って、一見リベラル、その実はものすごい保守反動で体制べったりなのね。
 それとも、小谷野の、もてない心の痛みに共感したのかなあ? どっちやろ?

 余談だけど、そこでのプロフィールをチェックすると、伊田先生、そんなブランドもんじゃない大学の教員でしょ(そこの方々、すみません)。で、小谷野敦、大阪大学の教授やて。小谷野敦、ブランドもんの大学教授やし本売れたし、世間一般からしたら、「伊田広行より小谷野敦のほうが格が上」って思うの多いのでしょうね。
 私、落ちこぼれのプーやけど、小谷野敦、そんな大したもんちゃう思うけど、ブランドもん大学の教授って、なんで?

 


  伊田広行『シングル単位の恋愛・家族論』は、もてる男の本だなと思う。

 誤解しないでほしいけど、自分がどんなに女からもてるかってひけらかすような内容ではないですよ。もてるから、女性の性の解放と自立に関して精神的余裕があるんでしょうねってことですよ。

 女性が、男をイヤになったら、いつでも逃げられるようにしようって。そのために、伊田先生は、女性を絶対養わないって。

 もてへん男は、逆に女の解放と自立が許せないようになるのでは?
 一夫一婦制度で離婚がしにくいようにすることで、女性が男から逃げられないようにしようって思うのでしょうね。

 もてへん男は、伊田広行の『シングル単位の恋愛・家族論』をどう思っているのかなあ? 共感できないかなあ? ねじけて「強者の論理や!」って拒絶するかなあ? 誤解を与えたらいけないからフォローしておくけど、伊田先生は、過酷な状況にいる女性達のことをすごく考えていて、少しでもお力になりたいという考えであの本をかいていらっしゃいますよ。

 私はもてへん女やけど、『シングル単位の恋愛・家族論』に目がひらかれました。生涯最高の本だと思う。私、伊田広行原理主義者、彼の書く本は経典。
 ゲイの伏見憲明がHP「ニュース&コラム」で『シングル単位の恋愛・家族論』を絶賛していた。彼は太めでカッコ良くないし(ごめんなさい。でもお書きになるものは全部チェックしていますし、大ファンです)、自分でも「もてない」って。それでも絶賛。

 問題は、異性愛の男性たちや。『シングル単位の恋愛・家族論』をどう評価するかは、性別と性的指向かでずいぶん違うと思う。おまけに、「もてる/もてない」でかなり違うのでは?
 男性で、恋愛の対象が女性の異性愛で、もてへんのからしたら、共感できない? どうやろ?

 男性で労働問題に関心のあるリベラルなのは、伊田広行『21世紀労働論』は絶賛するでしょう。
 でも『シングル単位の恋愛・家族論』はたぶん拒絶するのがほとんどでは?

 で、小谷野敦の方に心情的に共感しちゃうかなあって。やばいなあって。

 あるきっかけで、伊田先生とお話する機会がえられたのね。 →詳しくはコチラ。
 小谷野敦についてどう思うかきいたけど、私の取材能力の欠如で、イマイチ、うまいこと聞き出せなかった。

 


 文章を読んだだけで、彼はもてる!って直感したの。

 

 松沢呉一

 伊田広行『シングル単位の恋愛・家族論』は、もてる男の本だなと思う。

 ハスラー・アキラ 『売る売らないはワタシが決める』でも、書いているけど。文章読んだだけで、すごい魅力的。青臭い理想も言うけど、それがエセリベラルみたいないやらしい感じにはなっていない(私、森岡正博は嫌い。なんや、きれいごと言うんやけど、なんか薄っぺらいの)

 


 あるきっかけで、伊田先生と古くからの友人だと言う女性たちと友人になった。

 

 伊田先生、恋人の存在を一切公表はしないって。

「伊田さんのイヴェントで、いっつもきている女性がいるのね。たぶん、彼女でしょ」 
すごいキレイでキャリア・ウーマンらしい。すごいすごい! 
 (その友人は、伊田さんとは古くからのつきあいなので、恋人らしき女性達の移り変わりも、なんとなく知ってるって。へ〜。)

 その彼女も、又別に茶髪の若いかわいい男の子を連れて来たりして。へ〜・・・

 ほんとは嫉妬や独占欲、支配欲でグチャグチャになるはずやのに、そういうのは他人からしたら一切分からない。全員、クールにつきあっているのか、ドロドロがあったうえでシングル単位の関係をきづきあげようとしているのか?

 「僕と彼女はカップルです」って公表しないし、彼女も彼にベタベタしないのね。飲み会とかでも、バラバラに座り、席を転々と移動しながら、別々の人達と喋ったりやて。
 へ〜。普通やったら、カップルを公表し、まわりのみんなも気を使ってお隣同士に座らせ、女性達は伊田先生と話したかったら、まず彼女に気を使いながらってならないの?
 友人「いや〜そんなん全然なし。女性が伊田さんの隣に座って話しかけても全然気を悪くしないし」

 シングル単位の関係。

 

 又、別の知り合いの男性(仮にA男)。知り合いの女性(仮にB女)の例をあげます。

 全く別々の人と思っていたのね。

 私、全く深いこと考えずにA男の隣に座っていろいろ喋って。B女のことは全く覚えていない。

 たまたま、二人からメイルを受け取った。メイルが一緒だったので(発信時が深夜)、あっ一緒に暮らしているんだって気がついて。もし事前にそういうのを分かっていたら、A男にナレナレしくはしなかったのに。飲み会とかでも、A男の席の横には座らず、A男に喋りかけるときもB女を気遣い・・・ 

 二人とも、二人の関係を公表しないし、表立ってカップルとしての行動はとらない。ベタベタしない。その二人も、生き様がシングル単位だ。

 

 マスコミってカップル単位のを大々的にとりあげるでしょ。ハリウッドなんてもろにそう。アクセサリーみたいな恋人を連れてパーティーに出席するのが最大のステイタスって感じ。連れて来れる恋人がいないと恥ずかしい、その恋人もステイタスがないと恥ずかしいって感じ。日本も悪い意味でハリウッド商業主義的になってるでしょ。

 でも、シングル単位の生き様で、恋人関係を公表しない関係ってのは、マスコミではきかないでしょ。

 私、その二人の関係のあり様っていうのをもっと知りたいけど、そういうのって、ゲスなおばちゃんの覗き見根性やな。やめとこっと。

 


 みんなで喫茶店で盛りあがった。
  伊田広行の話で盛りあがっていた。それから私が気になる小谷野敦の話題へとかえた。
 「X氏(仮名。共通の知り合いの男性)小谷野敦の大ファンで、『伊田広行の本が訳わからない』って。私、小谷野敦とXさんは、ほんま、もてへん男やなあ・・・って思った。もてへん部分で共感しちゃうのかなあ?」
 そしたら、ある男性(仮にZ氏にしておく)がニコニコ笑いながら「僕、もてへんけど、小谷野敦の『もてない男』、つまらないから古本屋に売ってしまったよ。もてへん男が全員、小谷野敦ファンってわけでもないよ」って。
 彼はカッコよくはないけど(ごめんなさい。そういう私は一目で分かる落ちこぼれ、ダメ女)、なんか大らかだし、いいものと悪いものを見分けられる人みたい。それに柔軟でけっこうリベラル。私が松沢呉一の『売る売らないはワタシが決める』を読んで目がみひらかれたって言ったら、さっそく読んで考えが変わったって絶賛していた。

 その後、メイルのやりとりを、彼の許可を得て、一部引用。プライヴァシーに関わる部分とかに関しては変更していますので。 

のら猫の手 すごい盛りあがりました。とても楽しかったです。なんや、なぜか「もてる/もてない」って話題でえらい盛りあがったよ(笑)。  
Z >すごい盛りあがりました。とても楽しかったです。
>なんや、なぜか「もてる/もてない」って話題で
>えらい盛りあがったよ(笑)。

 そうやったね、特にあなたの「Xさんとか小谷野敦とかって本当にもてない男やと思った」との仰せには、自分の事を棚上げで面白かった。

 
のら猫の手       >>とても楽しかったです。なんや、なぜか「もてる/もてない」って話題でえらい盛りあがっ
>>たよ(笑)。
>そうやったね、特にあなたの「さんとか小谷野敦とかって本当にもてない男やと
>思った」との仰せには、自分の事を棚上げで面白かった。

 私も自分のこと棚に上げてます(笑)。
 でも意外やったのが、さんが小谷野敦の本、古本屋に売り払ったって。見直しました!(皮肉なんかじゃないです) やっぱり、心ある男の人は、あそこまで根性ねじけたらダメって思うでしょ。
 さん。悪い意味で『週間金曜日』的でしょ。パサパサに干からびた正義って感じ。正義の方向がイヤ〜ンな方に向かっているの。『買ってはいけない』みたいな。←ここだけの話ね。ちくったらヤ〜ヨ〜。
 伊田さんの『シングル単位の恋愛・家族論』はモテル男の本でしょう(私の憶測)。労働問題に関心のあるリベラルな男性達は、『21世紀労働論』は受け入れられるでしょう。でも『シングル単位の恋愛・家族論』はたぶん拒絶する男の人がホトンドやろうなって思うのね。で、小谷野敦の方に心情的に共感しちゃうかなあって。やばいなあって。
 さんが「伊田さんの本はわけわからない。小谷野敦の意見には共感します」って。ハ〜・・・いかにも、やけど。ウンザリしちゃう。←ここだけの話ね。

 又なんか、こういう話で盛りあがりたいけど、やっぱり、こういう濃い話は、他の方々はひいちゃうかな・・・・

 
 さん   >でも意外やったのが、さんが小谷野敦の本、古本屋に売り払ったって。見直し
>ました!(皮肉なんかじゃないです) やっぱり、心ある男の人は、あそこまで根性
>ねじけたらダメって思うでしょ。

 そんなにお褒めいただくほどのことでもないと思うけど・・。大体、わたしゃ、教科書でよく読まされたような文学・文芸評論が大嫌いやし、世間話としてもさして面白くないし、得るものもない本だったから、他の本とともに売っ払ったということなんですが。ただ、確かにこの小谷野という人は、案外つまらない人間なのではないか、とその文脈から思えました。さらに、社会科学的な論理展開能力はなってないね。

>さん。悪い意味で『週間金曜日』的でしょ。パサパサに干からびた正義って感
>じ。正義の方向がイヤ〜ンな方に向かっているの。『買ってはいけない』みたいな。
>←ここだけの話ね。ちくったらヤ〜ヨ〜。

 ご安心を。別に親しくはないし。だって、あの人、私が落合恵子を結構気にいってる、と言えば、僕は嫌いです。と言うし、私が椎名誠が嫌いと言えば、僕は好きです、と仰る、とまあ、こんな調子ですからね。
 ところで、この人は何をしている人かと、ご本人に聞いたところ、(以下略)
 さんの思想がどんなものか、(をざっと紹介しているけど、以下中略)うーむ、週刊金曜日的以上かも・・。

 私も週刊金曜日の定期購読者ですけど、もう、私の勤務先でも読めるようになりましたし、もう更新しないつもりです。それに、なかなか読めないですしね。噂の真相は丁寧に読むけど。さらに、私はあなたほどあの雑誌が嫌いではないけど、あの「買ってはいけない」の極端さは嫌だし、「本多勝一のこんなものを食うてきた」とかいうセンスの悪い漫画(本多勝一信者ばかりが読者やない!)とか、永六輔の無名人語録なんてのも何か嫌な感じですわな。

> 伊田さんの『シングル単位の恋愛・家族論』はモテル男の本でしょう(私の憶測)。

 全く同感ですね。

失礼しました。返信なんかは、どうぞ、お気遣いなく。

   

 とても面白いし、味わい深かったです。

 もっともっと、つっこんだ話をしたいけど、彼にはもうこれ以上つっこまないようにしますね。

 彼は確か、『21世紀労働論』を絶賛した方だったと思う。

 私、掲示板で、私はもてないから、美少年同性愛漫画・小説や、心のきれいなだけの女がいい男から愛されるって少女漫画を嗜好したとこあるわねってことを書いたら、
ある女性から 「のら猫の手さんは、もてないのですか? 「ブス」なのですか?  もしそうなら、なぜもてないのですか? なぜ「ブス」なのですか?」 なんて書き込まれ、相当ショックを受けました。 それまでの話の流れからしたら、このことに応えなくてはならないと判断し、その返事を書きました。 が、それを書くのに精神的に相当つらい思いをしました。ですので、その怒りも表明。
 そしたら彼女から弁明と謝罪の書き込みが。 

 「もてる/もてない」問題って、かなり興味のある話題やけど、でも、相当、人を傷つける、殺傷力のある凶器にもなりますしね。扱いがかなり難しく微妙なものですので。

 

 そしたら、又、お返事が。是非読んで。

Z   のら猫の手様

です。

(中略)

 ところで、のらさんから先日許可を求められたHP掲載の件、どんなふうに書いてもらってるのか、と見させていただきました。別にチェック入れのつもりではないですよ。だって、そう言われたら、どんなふうに触れられているか、誰かて気になりますがな。
 そこで、ちょっとばかりコメントを・・、抗議ではないですよ、念のため。

>もっともっと、つっこんだ話をしたいけど、彼にはもうこれ以上つっこまないようにしま
>すね。

やさしいお心遣い(?)をどうも。けど、私は、そんなにのらさんから突っ込まれた覚えもないねんけどなあ。別に、また、機会があれば突っ込んでもらってもいいですよ。突っ込まれて面白かったら私なりに応じるか、突っ込み返すかするし、応じられないことであれば、応じないまでのことだから。

>彼は確か、『21世紀労働論』を絶賛した方だったと思う。

 せっかく伊田さんとお話できるのだからと、まだ読んでなかった同署を直前になって急いで読んでみたもので、その関連の質問が多くなってしまった、ということです。ただ、あの本は、すごくいい内容だったけど、いかにも学者の論文といった雰囲気で、あまり読みやすいとはいえないですね。残念ながら「恋愛・家族論」「社会論」ほどには読まれないように思う。だから、私もやはり、その受けたインパクトからしても、後者2冊のほうを絶賛しますね。

 先日、本屋で見たら、恋愛家族論、社会論とも2刷もしくは3刷になっていた。
 対して、伊田広行批判に1章を割いている、林道義のバカ本「フェミニズムの害毒」は未だ1刷のままでした。ワシもこの本を(買うのはシャクなので)市立図書館から借りで読んだのだが、馬鹿馬鹿しくなって70ページほどで読むのをやめてしまった。伊田広行批判のとこなんて、もう馬鹿としか思えず、笑っちまいました。聞くところによると、この林なる学者は性格的にもそうとうねじけてるらしい、さもありなん、という感じやった。

    

 ほんと、ありがとうございます。
 「もてない」からって、全部が全部、小谷野ってわけではないって、いいサンプルですね。希望の星よ。
 それにしても、異性愛男性で、伊田広行の『シングル単位の恋愛・家族論』『シングル単位の社会論』をいいって。希望の星よ。

 又、個人的にEメイルが。返事のメイルを書かず、直接ここに転載して、返事書くわ。どうやら、やけにこのHPをチェックいれてるみたいやし。うちのHPへのアクセスが増えるかも。←うち、アクセスカウンター置いていないし、増えたからって、なんの収入にもならへんねんけどね。

Z  のら猫の手さんへ
です。いかがお過ごしでしょうか。

(中略)

 先日、書店で雑誌「論座」を見ていたら、また、小谷野先生が登場していて、大月某という民俗学者か、と対談していた。で、やはり、彼は阪大助教授を辞していたようですな。おそらく今は、明治大学講師、といっても非常勤講師稼業でしょう。彼は明大で、それこそ、きょうびの馬鹿学生に「怒鳴って罵声を浴びせ通し」の授業をしているそうで、しょっちゅう、その疲れで翌日「寝込んでしまう」とか・・。

 それにしても、朝日は確かに小谷野センセイを好んで使いますよね。いつだったかも、朝日新聞で確か、色々な現場を知識人が出向く、といったシリーズがあって、そこで、センセが確か、何か有名な文学賞審査の会場に訪れて、なにやら書いていたものでした。そこで、彼いはく「やはり、私も何らかの賞がすごく欲しい」だとさ。

 でも、ある種、この人は「信頼」できると思いましたね。彼の性格・気質なんかが文章に、結構正直に出ていますから。学者って、立派なことを言ってるのに、日ごろの行動とかが、まるでえげつなく、殆ど人間のくず、みたいな奴が少なくないことを考えれば。

 

 

 あらららら・・・なんと。けっこう小谷野に対して好意的。

 そう言えば、松沢呉一さん。彼も、同じようなことを書いていた。
 出版社『studio pot』のHPで、彼のコーナーをもっていて、昔、ある原稿で小谷野敦をボロカスにけなしていたのね。各原稿は、すぐにお蔵入するから、もう読めないけど。で、『売る売らないは私が決める』でもボロカスにけなしていたのね。
 けど、最近になって、小谷野なんかよりもっとひどいのがたくさんいるから、相対的にマシと思うようになったのかなあ。松沢呉一さんも、どこかで「小谷野敦を嫌う方々が多いけど、私はそんなに嫌いでもない。なんか、正直で、偽善がなくって」みたいなことを書いていたし。「森田成也なんかよりはずっと信用できるし誠実だ」って。

 うん。私も森田成也なんかよりはね。
 松沢さん、前に『創(つくる)』って月刊誌で連載をもっていて、「売春者の人権を第一義にした合法化を」「その従として買春も肯定する」って主張していたのね。で、セックス産業の現場をよく知っている彼ならではの強みで、売春否定論者たちを徹底批判していた。
 そしたら投書欄で、売春肯定論の女性や男性からの投書や、売春否定論の男たちからの投書が。その売春否定論者のうちの一人が森田成也。えんえんと議論の応酬があるけど、ハッキリ言ってだんだん森田成也の投書、破綻してきています。
 その後、『週間金曜日』で、「買う男、買わない男」って企画があって、で、松沢さん、森田成也がそれぞれの意見を主張していたのね。『週間金曜日』は、どちらかと言えば森田成也の意見を後に置くわ、字数が多いわ。ハッキリ言ってエコひいき。それでも私、松沢さんのほうに共感しましたけどね。
 私の女友達で、なんと大阪市立大学のゼミで森田成也の後輩だったってのが。
 彼女、『創』は読んでないけど、『週間金曜日』「買う男、買わない男」だけ読んで、「森田成也の意見は正しい」って。それってないんちゃう〜? まあ、それだけ読むと、チャントしているように見えるのね。でも、『創』も読むと、森田成也ひどいんちゃう〜思うけどね。
 私「森田成也ってどんなやつ〜?」って訊いても、
 彼女「う〜ん・・・真面目で堅ブツって感じ。でもなんであんなゴリゴリのフェミニズムに傾倒するようになったのかはナゾ」って。

 まあ、小谷野敦って偽善はないような気がする。
 宮崎哲弥とか「女性のために」なんて主張しているけど、嘘! 女がいい男にキャーッてむらがって、もてる男が女をとっかえひっかえするのがイヤなんやて。
 その点、小谷野敦は「一夫一婦の結婚制度はもてない男を保護するため」「女は女の肉体をしているだけでモテルから、性の自由化になったらあぶれる可哀想な男達がでてくる」みたいな主張を正直に言っている。

 それと小谷野敦、明治の馬鹿学生達をけなしているけど。でも、小谷野かてそんな能力ないよ。
 私、低学歴の落ちこぼれのプーやけど。でも、小谷野敦の本や原稿を読んで、お寒いもの感じたよ。


 ある若い男の子も、「小谷野敦の『もてない男』が面白くって面白くって」って。 その雰囲気からしたら、小谷野敦にすごい共感しているな。


 小谷野敦『もてない男』が大ベストセラーになった。

  読者は読んで、共感したのかなあ?

  それとも、読後、ポイッやったのかなあ?

 


 もてへん男が共感できて、しかもいい方向へ行けるようなもの書ける男性って空白状態なのかなあ?

 朝日新聞で、雑誌の広告が載ってるでしょ。「『もてない男』小谷野敦 結婚!」って。私、さっそく、その雑誌、立ち読みしましたよ。←そんな好きなのか? ちゃうわ!

 その中で一番気になったのが、熱狂的な大ファンの男達がいるって。講演会をしたら、熱い追っかけがいて、教祖に対するような熱い視線をおくってくるって。驚き! なんか「よくぞ書いてくださいました」って感じらしい。なんだかなあ・・・他にいないのかなあ? いないんやろうなあ・・・ もてない男の心の傷を癒してくれるの。小谷野敦しかないってカナシすぎる。

 雑誌の記事によると、5歳上の、同僚らしい。燃えるような恋愛じゃなく友情での結びつきらしい。
 めでたいか? いや〜・・・彼、ますます保守反動的、女性たちに対して抑圧的なるやろうな〜って。
 有名人男性が5歳上の女性との結婚って、普通なら「私も年いっても男からOKなのね」ってうれしいもんやけど。なんか、彼、これからはますます結婚制度依存で、恋愛や性をキャッキャキャッキャ若いのと遊んで楽しんでる方々を苦々しく思い抑圧しそうだよな、なん悪い予感がするの。

 宮崎哲弥、結婚しているけど。彼も性の解放に関して抑圧的。こういうタイプが結婚すると、すごく他人に対して不寛容になりそうや。


 TVで、独身者たちを特集した番組に小谷野敦がゲストに出ていた。

 彼の奥様が出ていた。5歳年上らしいけど、上品で知的でお美しい方。これは決して皮肉じゃないですよ。

 そしてお見合いパーティの会場などが映像で紹介された。

 番組のまとめ方は、もてない君も勇気をだしてチャレンジすれば結婚できるって感じにとれた。

 でもなあ〜小谷野敦。いややなあ〜・・・。


 

 小谷野敦、今まで相当、他人を傷つける発言をして抗議されている。

 ★ 『すこたん企画』のHP  →「困ったもんじゃのう&いいもんじゃのう」→「●シンポジウムの壇上で「レズビアンと出会って三日間吐き気が止まらなかった」と言ってのけたパネリスト」 によると。
 ゲイの人権活動家で講演会や執筆活動をしている伊藤悟が、大阪大学でシンポジウムの出席者の一人として参加した。そしたら、その出席者の一人である小谷野敦が「私は以前、レズビアンからレズビアンだと告白されてそのあと(嫌悪感から)三日間吐き気が続いた」って発言し、伊藤悟は怒り狂ったって。

 ★ 小谷野敦が『論座』で風俗嬢に対して差別的なことを書いた。そしたら松沢呉一が『売る売らないは私が決める』で、それを読んだ知り合いの風俗嬢が悔し涙を流したって批判した。

 小谷野敦 『QUEER JAPAN』(2000年4月号)
かつ松沢氏は、私の文章を読んで悔しさのあまり涙を流した性労働者がいると言うが、(中略) 私は、「同性の恋人がいます」と言ってカムアウトした女性をマスコミが礼賛した時、恋人のいない同性愛者がどれほど悔しい思いをしたかくらいは想像できる。

 って、おいおい! それって、ないんちゃう〜?!

  でも、もてない方々の中には、これ読んで「小谷野先生って、他人の心の痛みに敏感な、感受性豊かな方なのね〜」「私の気持ちをよ〜く分かってくれているんだ」「もてない恋人のいない人への配慮があるんだ」って賛美したりして。ややなあ。

 私、もてへんし恋人おらんけど、池田久美子(『先生のレズビアン宣言』)の『私には同性の恋人がいます』って発言をそこまで悪くとらんかったけどなあ。
 私、同性愛じゃないけど。イヤ、同性愛者で、もてなくって、恋人のいない方、どう思われます?
 もし池田久美子の例の発言くらいで傷ついたり悔し涙流したりする同性愛者の方がいらしたら、私キツイこと言うようやけど、そこまで根性ねじけんなよな〜って言う。

 いや、そら、もちろん、私、女性有名人の結婚自慢とか、不快に思ったことたくさんあるよ。
 林真理子、中島梓、ハイヒールのモモコ、池田理代子、赤星たみこなどなど・・・
 有名人女性の結婚を、マスコミが大々的に取り上げてチヤホヤするのもムカツク。貴乃花や若乃花の嫁。後藤久美子、中村エリコ。
 たいしたことないくせに、結婚、妊娠、出産を売りにする女性タレントとか。ダウンタウン浜田の嫁とか。ピンクの電話とか。工藤静香も。
 かわいいってだけでチヤホヤされている女たちもイヤだ。
 一条ゆかりの成金女的な恋愛話もイヤだ。三輪アキヒロの恋愛話もイヤダ。
 「チキショーあいつらばかり異常に持ち上げられやがて!」
 私の醜い本音を言えば、彼女らが落ちるの楽しみにしています。←「ひどい!」って抗議が殺到するやろうけど。
 「○○の夫って、若くてキレイな女の子と浮気しまくっているの有名よ」って話には狂喜したなあ。他にも、ホモ、失業、薬中の噂とか。離婚したら拍手喝采や。

 もてない方々が、もてる連中(←連中呼ばわりじゃ)をウラミネタミソネミヒガミで悪口言うの、私もするし。
 美男美女が実は整形、清純なのが実は中絶したとかいう噂には狂喜したし。雑誌でキレイごとインタヴューされているのが、実は莫大な愛人お手当てもらっていたとかいう噂とかね。ヒヒヒヒヒヒヒ・・・・。

 そういう、もてないの方々の、ウラミネタミソネミヒガミ、私もよく分かる。悪口大会大好き。掲示板で、オフの飲み会で、盛り上がろうぜ。

 偏狭な清潔なんかじゃなく。人間の醜い面も、人間の本性としてあるのを分かろうという成熟した豊かな人間感。醜い本音を正直に吐露。

 でもなあ〜・・・小谷野敦。「もてない」をいやらしく利用してへんか? で、もてない方々の中には小谷野の発言にメロメロメロ〜って理性がグズグズにとろけてしまってってなるのがいたりして。ヤヤなあ・・・。
 この嫌悪、どう分析したらいいのやろ? なんか「弱者」であることをいやらしく利用している感じかなあ・・・。

 自分の内面のヒガミソネミネタミを「露悪」は許せてもねえ。自分の内部の醜さを自覚しているしね。

 

 

 追記

 2002年のゴールデンウィークに、上京した。この掲示板の常連yukikoさんとオフ会をした。彼女は自己紹介でレズビアンだと最初から書きこんでいた。
 私が、例のことを訊いたら、
 yukiko「あ〜HP読みました。私、よくぞ書いてくれたと思ったよ」
 私「レズビアンからしたら、どうよ?」
 yukiko手を振りながら「あ〜もう全然全然」
 私「他のレズビアンたちは? レズビアンでもてないのからしたら?」
 yukiko手を振りながら「あ〜もう全然全然」
 私「そら、そうだろうなあ〜」 
 私「あの先生の『私には同性の恋人がいます』で、『恋人のいない私は、傷つきました』なんていうレズビアンがいたら、そこまで根性ねじけんなよなって言ってもいいよね?」
 yukiko手を振りながら「そんなのいないって」
 だよね〜!

 

 

季刊雑誌『クィア・ジャパン』がすごい面白い!

 『クイア・ジャパン』第3号(2000年10月発行)、読みましたか? 特集が「魅惑のブス」

 その内、特に丸尾音々の文章がもお最高でした。「ブスとおばさんの彼岸 ルサンチマンを乗り越える居直り人生のススメ」
 もてない女のルサンチマンをよ〜く理解した上での女性の性の解放、性の商品化、売買春全面肯定。

 そら、前前から、小林よしのり的なオヤジたちが「性の商品化禁止って主張は、ブスやババアのひがみ」って言ってたけど、でもそう言われたら私、ムカツイテたのね。
 でも、丸尾音々は、確かに同じ主張やけど、そういうオヤジ連中とはモノが違う。
 売買春肯定とか性の解放とか、恋愛弱者→セックス弱者の女性達に配慮しないと彼女たちの同意を得られないって。よくぞ、言った!
 で、女性達に対して、今のこの抑圧的な状況に風穴をあけるために、もっともっと積極的に性を楽しむことを薦めています。もてない女性は買春というゲリラ活動をしてみてはどうかって! すごいすごい!!

 それと、丸尾音々の文章に、さらに付け加えたいことが色々あった。
 もてない女でも、色々いる。
 私はもてない女やけど。でも独身で、伊田先生のシングル単位で、ずいぶん考えが変わった。
 ええ年して独身女性達と飲み会をするでしょ。彼女たちの考えも実感して分かる。私「昔やったら、女は生活のためにブサイクなのと結婚してジジババ同居で介護して一生を終えたけど、それに比べたらマシだよね〜」って言ったら、苦笑いしながら同意。「私、10いくつも年下の金城武みたいなのといいことあったよ〜」ってうれしそうに語る40女性とかね(美人ではない)。
 もてない若くない女でも、丸尾音々のは受け入れられる土壌のある女性達はたくさんいると思いますよ。やっぱ、独身で、王子様がお迎えに来ないし、一生添い遂げるのは無理でも、いい男とごくたんまにでも、いいことがあったらいいよって矜持のあるのね。

 で、結婚して夫の性に変わり子どももいている女性。同じもてない中年女性でも、結婚して子どもができたら、変に守りの体制になり、ルサンチマンをためて、夫を若い子に取られるって敵愾心を燃やしているのでは? で、逆に自分が10いくつも年下の美男と遊ぶなんて可能性も考えられないのでしょうね。
 もてない、若くない、けど結婚して子どものいる女性が一番やばいな。そこが一番のネックやな。女性のための性の解放から性の商品化の最大のネックがそういう女性達でしょうね。鍵は、丸尾音々やな。

 もてない恨みつらみを体感し、他のもてない方々の恨みつらみをよ〜く分かった上で、もてない恨みで根性がねじけてしまっていることや偽善的な性の抑圧者になってしまっていることをよ〜く分かった上で、悪い方向になんかいかず、いい方向に行こうって。すごい、すごい!
 最初に、いい逸材が異性愛女性の側から出現しましたよ!

 異性愛男性で、こういう逸材がでてきてくれたらいいのに。もてない恨みつらみを正直に話してくれるのが、小谷野敦しかいないって哀し過ぎる。
 もてない恨みで根性ねじけ、他人の性的自由が許せず抑圧し、それでいて他人を傷つけているって抗議がきたら、イヤらしく弱者の立場を利用する。
 そうじゃない、もっといい方向へと進むもてない男性たちの出現を!

 



その後、小谷野敦、離婚

全く見ず知らずの男性からメールが届いた。彼は、小谷野敦をボロクソにけなし、別れた奥様はいい方だって。


伊田広之先生はもてる男

小谷野敦が「フェミニストの男性たちって、女にもてる男ばかりってのが不思議だ。伊田広之も写真で見る限り外見はたいしたことないけど、いい男らしい」

私は、それって、かなり重要な点だと思った。
実際、伊田広之先生に直接お目にかかる機会があり、その点を聞いたけど、私の取材力不足でイマイチの答えしか聞けませんでした。

あるフェミニスト女性が「あるフェミニスト女性がが『伊田広之は女漁りをしたいから、フェミニストになったのだ』って。どう思う?」
それは、いくらなんでもひどすぎでしょう。彼の著作を読んだけど、傑作です。

ただ、もてるか、もてないかで、かなり人生や思想に影響を与えるでしょうね。その点を無視したらいけない。

伊田広之先生はもてる男って、それが思想形成にかなりの影響しているって点に注目した編集者がいたのね。『あれれ』って雑誌で、連載でもてる女、もてない女について論じていた。まずは、きれいごとだなと私は感じた。性格の良さが重要とか。でも最初はまず、きれいごとを言い、徐々に連載が続くにつれ、かなり厳しいことを書くのかなと期待した。
でも、その『あれれ』って雑誌、それじたい、あれれ・・・・となくなってしまっていた。残念。