1999年7月7日(日) OGC

平野広朗先生にも、色々とお話を伺いたかったから。
 新今宮駅から、結構歩いたら、しょぼい一軒家にたどりついた。2時すぎね。呼び鈴を押したら、平野先生が。先生、ビックリしちゃったでしょうね、予約もなしに、イキナリきたから。ごめんなさい。私、えらい緊張しちゃった。
 階段のぼって2階。適当に座って。
 「伊田広行の「シングル単位」って知ってはります?」って訊いても、11月14日(日)のイヴェントのチラシとか見せながら色々話したけど、「フ〜ン・・・」って感じ。
 「松沢呉一のことを知ってはります?」って訊いたら、男子高校性からパンツを買う交渉をしたってお笑いエッセイの本だけ読んだって(『エロ街道五三次』収録)。
 それから、次々と男2人(ゲイ)、大学生(異性愛男)が。
 私、自己紹介のとき「女の書くものがピンとこない。でも平野先生の『アンチ・ヘテロセクシズム』に、ソウヨ!ソウヨ!って・・・」
 ゲイ、目をむいて「なんで?」やて。
 「なんでって。最高のフェミニズムの本やないですか!」って。
 異性愛男の学生がきたほうが、なんで?やろうな・・・。
 一番訊きたかった話題、松沢呉一の売買春全面肯定がフェミニスト会を真ッ二つに分裂させ、旧フェミニストを駆逐させ、世代交代をさせると思いますけど、どう思いますかって話しにも、
平野先生「それって男だから気軽にそんなこと言えるのでは?」「でも僕も、最終的には女性達のためにも売春を肯定していかなくてはならないだろうなってことを、従軍慰安婦問題の方々に言ったら、『そんなこと言うフェミニストは初めてです』って驚かれた」って。「フェミニストたちが『フィリピンやタイの貧しいのが売春するのは許せるけど、アメリカやヨーロッパの売春婦の権利のための組合運動は許せん』なんていうのもいるけど、でもそういうのは、女を分断することだし、最終的には肯定していかなくてはいけないでしょうね」
 でも、どっか困ってはった。そら、イキナリこんなヘヴィーな話ししてスンマヘン。
 ピンク映画の傑作を集めた映画祭のタダ券もくれた。女性監督や女性脚本家が、ゲイもとりあげたのとか、色々あって結構よかったって。ありがとうございました(でも行けなかったんです、すみません)
 ゲイの新雑誌『ファビュラス』を見せてくれた。おしゃれ! 男のヌード写真もそんなエグクない(梅田の旭屋書店にゲイ雑誌がたくさん置いてあるけど、イヤ〜ン気持ち悪い思うもん。まあ、逆にゲイからしたら、オコゲの漫画や雑誌を読んで「気色悪〜」思うかもね)。セクシュアリティやジェンダーに関する知的な文章もあった。これなら女性たちもチェックするかも。
 ゲイたち「いいよ、これ」「これで○○円なら安いよ」「『ザ・ゲイ』なんて、あ〜んなんでXX円よ〜(爆笑)」って大好評やった。
 川西由樹子『Q式サバイバー』は平野先生に不評やった。平野「他のレズビアンたちへの批判が口汚い感じで不愉快」って。で、「彼女の家族が信仰してした宗教ってどこ〜?」「仏教系で、教祖の頭文字が(←忘れた)って?」って話しから、創価学会の話しなって、ゲイたち「ゲイたちには創価学会の信者がやたらと多い」って。なんで〜?? ゲイたち「知らない」って。
 異性愛男の学生、上野千鶴子の大ファン。
 ゲイ2人は帰り、平野先生と学生と私と3人でフェスティヴァル・ゲイトのお好み焼き屋で、夕飯を食べて、平野先生のお宝の好きな男たちのお写真をみせてもらった。そして別れた。帰りの歩行が一緒だったので電車に乗ったけど、私、学生から嫌われて、えらいツンケンされた。ヤナ感じ。
 でも私、大阪人でよかった。こうやって平野先生とお会いできたんやもん。