1999年 ベストCD
ほんまCD買わへんわ〜。だってレンタル屋しか利用しないんやもん。
ブックオフって本やCDなどのリサイクル屋ができて、家の古いのんを整理しようって車で行って結構いい値で買ってもらってからというもの、通いつめているの。
近頃の音楽は全然やけど、アンプラグドものは結構好きで、レンタル屋でチェックしまくっていたのね。で、ブックオフで『ベスト・オブ・アンプラグド(THE
UNPLUGGED COLLECTION)』(ワーナー・ブラザーズ)ってレンタル屋でとっくにチェックしていたけど、安かったので買った。
k・d・ラング『ベアフット』、ドン・ヘンリー『カム・レイン・オア・カム・シャイン』がよかった。
パパが『淀川長治 映画音楽館』(MCAビクター)全10巻買ってきよってん。まあ、ほとんど名義を貸しただけって感じかな。包装と同封のパンフレット(オスギさんとの対談付き)がやけにゴージャスやけど、肝心のCD、選曲に誠意がないから、聞いてて腹たつねん! テイマ別がダメなら、せめて年代順に並べや! 純文学的作品に添えられた重厚なクラシック曲と若い子向けの馬鹿ポップスとがゴッチャまぜ! ったく。聞いててイライラするねん! おまけにほんとうは歌なのにオーケストラ演奏でごまかしたのもたくさんあったし。レコード会社間の契約問題がややこしかったんでしょうね。うちのパパみたいな芸能にうとい連中を狙ったエクスプロイテイション(搾取)CDやな。
しゃあないから、うちがパパ用に色々買うてきたったわ!
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『オリジナル盤による戦前欧羅巴映画主題歌集(EUROPEAN
CINEMA MUSIC OF GOLDEN AGE)』(日本コロムビア) CD2枚組みで、それぞれドイツ篇とフランス篇があるの。 |
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『ニーノ・ロータ・プレイズ・ニーノ・ロータ(NINO
ROTA PLAYS NINO ROTA)』(キング・レコード社) イタリア映画音楽界の巨匠。『ゴッドファーザー』とか、『太陽がいっぱい』とか、フェデリコ・フェリーニ監督の『8 1/2』『アマルコルド』とか。いいよ〜。 |
『マカロニ・ウエスタン・ベスト』
なんていってもイタリア映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネね(1964年度セルジオ・レオーネ監督 クリント・イーストウッド主演『荒野の用心棒』とかね)。
『西部劇テーマ』(キング・レコード)
2枚組みCD。オリジナルのんもあるけど、本当は歌なのに演奏でごまかしたのもある(『腰抜け2丁拳銃』の『ボタンとリボン』とか)。契約とかややこしいんやろうな。
『ジェームズ・ボンドに捧ぐ 私たちの愛したスパイ (THE
BEST OF JAMES BOND 30TH ANNIVERSARY CELLECTION)』(東芝EMI)
古い作品順に並べてほしかった。そしたら、だんだんダメなっていったのが丸分かりでやばいか。
それから私も弾みがついて、買うのがやめられない、とまらない。
渋谷系がまとめた映画音楽ばっか。
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『レディメイド、映画音楽に親しむ (THE
READYMADE BLINDFOLD THEATER)』(ソニー) 小西康陽、田中知之、坂口修。彼らは俗に渋谷系ってくくられていますが、60年代の甘〜い映画音楽を、ただただ自分の好みで集めまくったので、日本未公開のんも含まれています。企画者の誠意が感じられます。 私が好きなのは、なんといっても『ナック』のテイマ。 |
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『紳士泥棒/大ゴールデン作戦 (After The
Fox)』 なんでこんなのが今時再発売されるの?って驚いたけど、うれしくってつい買った。1966年の映画のサントラで、音楽担当がバート・バカラック。 |
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『TROVAIOLI A GO! GO!』(キング・レコード) 俗に渋谷系ってくくられている方々が、60年代頃の甘〜い映画音楽を復活させたのです。まずはアルマンド・トロヴァヨーリの、♪ダバダバダバ♪ってスキャットの『黄金の7人』シリーズで火をつけて。梅田ロフトのCD屋WAVEでサントラのコーナーがあって、そういう傾向のをたくさん紹介されていて、そこで買ったの。そしてやっと、青木幸博の選択で彼のベスト盤2枚組みが発売されるようになりました。 私、レンタル屋で、『黄金の7人』シリーズのヴィデオも借りまくったわ。子供の頃、TVの洋画で、スキャットが流れたら、知人が「これ、しゃれてるやろ」ってうれしそうに言ってたのだ。そのまま忘れていたけど、渋谷系の方々のおかげで思い出したわ。ありがとう。 |
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『女性上位時代(LA MATRIARCA)/オリジナル・サウンド・トラック盤』(キング・レコード) CD屋をチェックしてたら、このサントラを見つけて目の玉とびでそうなりましたよ! なんで? 今時こんなのが? まあ、渋谷系のDJたちが、アルマンド・トロヴァヨーリを再評価して、その流れかって。 映画自体は1968年度のB級大馬鹿セックス・コメディで、映画史には絶対とりあげられへんやろうけど、いいの。なんか好きでたまらないの。子供の頃、TVで観て、そのいやらしさに強烈な印象を受けた。それも、昔の日本の芸能界ってビンボくさかったのに、外国ではこんなエロ映画ごときがゴージャスやったってのにも驚いたな。それからずいぶんたって、私は映画オタクになり、フランス映画の過去の名作とかもかなりチェックしたのね。で、又もやこれがTVで放映されたのを、ついつい観て、フランス映画界の大俳優ジャン=ルイ・トランティニャンが、若い頃こんな大馬鹿映画に出ていたのに驚いた。それから又渋谷系が、このテイマ曲の魅力を思い出させてくれたのだ。ありがとう。 |
『MORRICONE A GO! GO!』(キング・レコード)
エンニオ・モリコーネも、マカロニ・ウエスタンで有名やけど、渋谷系の方々が甘〜い映画音楽ばかり集め2枚組みCDにしたのです。1978年度の『Mr.レディ Mr.マダム』は知ってるけど、他はかなりの映画オタクの私でも知らないのばっか。
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『天国か地獄か フリーセックス地帯を行く (Sweden
Heaven and Hell)』(ワーナー・ミュージック) 音楽ピエロ・ウミリアーニ。ずっと前レンタル屋で、渋谷系のDJたちが外国の60年代頃の甘い甘い映画音楽ばかりを集めて独自のアレンジをしてCDにおさめたのを借りて(題名は忘れた)、その中の1曲「マナ・マナ」ってヘンテコでキュートな曲が妙にインパクトがあって、ずっと覚えていたのね。で、たまたまCD屋によったら、「『黄金の7人』のダバダバ♪♪に値するスキャットものの傑作『天国か地獄か』のマナマナ♪♪は、思わず一緒に口ずさんでしまう!!」ってジャケットの宣伝文句のサントラがあったので買いました(も、間違いなく、渋谷系のおかげやて)。そのCDの解説でも、「スウェーデン性風俗にスポットをあてた」「1968年にイタリアで公開された異色ドキュメンタリー映画」だって。ジャケットの写真からしたら、馬鹿なセックス・コメディやろうなって判断できたけど。「マナ・マナ」ばっかり聞きまくったわ。 |
なんかイタリアン・テイストのが多かったわ〜。それも通俗的なのが。
それにしても、1960年代生まれの私にとって、子供の頃TVで放映されたB級洋画って、画面は甘くポップなパステル・カラーで、流れる音楽が甘くB級っぽいキュートさで、内容はたわいのないのだらけやったのね。
それが、いつのまにか70年代になり、荒れた画面、すさんだ現実が題材のドロドロのリアリズムのやつとか(BGMは黒人の汗臭そうなソウルかファンク)なり、80年代になり、MTV感覚のレコード会社とのタイアップものとかに時代が移り変わり、そういうのを忘れていたのね。
そしたら90年代になって、大向こう向けすぎるのか、マニアすぎのばっかりになってうんざりしていたのね。そしたら渋谷系の方々が60年代のあの頃の甘いのをまとめてくれて、ほんとうにうれしかったです。
NHKとかがやる懐かしの映画音楽大特集なんて、もう古臭いオーケストラ大作とか、そんなんばっかりやから。企画物もたいてい似たようなのばっかり。それか、レコード会社がCDに収録できる権利のあるのばっかりをとにかくなんでもいいから集めただけのんとかね。
だから渋谷系のサントラ・ブームは、選者たちの誠意が感じられました。