2000年 わざわざ足を運んで観に行ってやった映画

 

『小さな赤いビー玉(Un sac de billes)』1975年フランス ジャック・ドワイヨン監督
 再上映

 古いフランス映画『小さな赤いビー玉』の再上映、行きました。梅田ロフトの地下の小さな映画館の朝だけの上映。『アンパンマン』の劇場と間違えちゃって、大慌てでお目当てのを探して。
 すごいよかった。フランスで、古風で、美少年兄弟で、しかもナチス・ドイツでって(私、ナチとユダヤものオタクなの)。それだけでメロメロなのに。
 さらに、監督も脚本も、過酷な状況を生きる人々を、決して浪花節みたいな涙涙でドギツく撮らず、タンタンと撮るからかえって胸にしみるのよ。

 土曜日の最終日のモーニングショーでの上映やったんやけど、その後すぐに藤山直美主演の『顔』の上映で、ものすごい行列が。

 古い古いイタリア映画『女性上位時代(LA MATRIARCA)』

『Lマガジン』をチェックしてたら、驚き! 「カトリーヌ・スパーク旋風、再来!」って古い古い69年のイタリア映画『女性上位時代』が9月2日〜15日に扇町ミュージアム・スクエアで上映されるって。
 私、『1999年ベスト』で、昔TVで観たB級エロ・コメディ映画のサントラが復刻されたのに驚いて買ったって書いたけど、まさか再上映されるって。なんで? って、もちろん渋谷系のDJたちのしかけやけどさ。関連イヴェントがすごい! 
 映画じたいは、レンタル屋でヴィデオがあったらいいんやけど、ないしなあ。どうしようかなあ・・・
 関連イヴェイントのほう、ちょっと覗いてみたいけど。←行けませんでした。
 扇町ミュージアムの20人ぐらいの映画館で再上映。おしゃれな雑貨売り場で、60年代ぐらいのキュートな映画のポスターやら葉書やら売ってて。まわりがすごい盛り上げる盛り上げる。

 映画じたいは、C級エロコメディなんやけど、楽しくって楽しくって。 音楽がアルマンド・トロヴァヨーリ。衣装からセットまでお金かかってるよ〜。
 主役のカトリーヌ・スパーク(Catherine Spaak)、すごい魅力的。お金持ち男のロリータ妻で未亡人なって、性的好奇心がおおせいで次々と男と遊びまくって。私、女やからジャン・ルイ・トランティニャン(Jean-Louis Trintignant)がいいのよ〜。

 

 わざわざ劇場まで足を運んでやったけど、期待はずれやったの。

映画『オルフェ(ORFEU)』

 ずっと前、フランス人の映画監督マルセル・カミュがブラジルで黒人たちを主役にして撮った『黒いオルフェ』を観た。激しく歌い踊り、死ぬほど愛するって、ミュージカルって普通の目で観たらマヌケなんやけど、これは舞台設定をうまいこと工夫してファンタジーとして楽しめる。ブラジル、リオのカーニヴァル、黒人たち。

 で、本場ブラジル製作でブラジル人監督でリメイクしたっていうから期待して観に行った。
 中途半端でイマイチ。リアリズムと、ファンタジーとの兼ね合いがね。
 監督、変に貧乏とか寒々とした現実とかを、NHKドラマ人間模様みたいにやるから。この監督、音楽ものとか恋愛モノとかをファンタジーとして見せるだけの素養がないのに。こら、ミスキャストやな思ってパンフレット見ると、やっぱり、この監督、これまで貧乏ものを取ってきたヤツだとか。
 恋愛モノをビンボったらしくとれば、それはそれで統一感があるけど、変にファンタジーぽくやるから、かえってダメって感じ。変に一目ぼれってやるから、男が誠意のカケラもないようにしか見えない。死ぬほどヒロインを愛するって嘘くさいよ。

 そうそう、こんなこと考える私はゲスかもしれんけど。
 主人公オルフェと、ヒロインのユリディス、もう一人の女との三角関係って設定やけど。もう一人、主人公オルフェの幼馴染の男で、ゴミ処理の仕事ぐらいしかないのを嫌がり、ギャングとして金持ちになったのがからんでくるんやけど。ホモ臭くないか? オルフェとのキスシーンとかもあるし。監督の趣味か?